社会人リスト・独立リーグリスト





2013年度 投手候補リスト






戸田 公星(25歳・JR北海道)投手
182/75 右/右
(日田林工出身)

 

 高校時代は、熱いハートと130キロ台後半の速球を投げ込む県NO.1投手。野手としても強肩・強打の選手として投打に注目。

 

沖山 勇介(25歳・日本製紙石巻)投手
172/73 右/右
(桐蔭学園-中央大出身)

 
 
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内山 拓哉(24歳・JR東日本東北)投手
177/73 右/右
(浦和学院-東洋大出身)



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阿部 博文(25歳・七十七銀行)投手
181/80 右/右
(利府商-東北学院大出身)


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相原 和友(24歳・七十七銀行)投手
186/72 左/左
(東陵ー東北福祉大出身)



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門脇 康太(25歳・日立製作所)投手
173/81 左/左
(中津工-福岡大出身)


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横井 貴行(23歳・日立製作所)投手
183/77 右/右

(西湘-日大国際関係学部出身)



(どんな選手?)

 この大学選手権でも、MAX147キロを記録するなど、東海地区を代表する好投手です。今春のリーグ戦では、6勝1敗 防御率 0.88 とチームを全国大会に導きました。

(投球内容)

 オーソドックスな右上手投げで、コンスタントに140キロ台~MAX147キロを記録。ただ気になったのは、球速ほど球に勢いや伸びがなく、打者としてはそれほど苦にならない球だと言うこと。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜるタイプで、コンビネーションで仕留めるタイプです。

 それほどピンポイントの制球力はありませんが、両サイドにボールを散らしつつ、ストレートや変化球を織り交ぜ、相手を的を絞らせません。ワインドアップでふりかぶって投げる時も、その「間」を一球一球変えたりするなど投球に工夫は観られます。クィックも1.05~1.15秒前後でまとめられるなど速いですし、牽制なども悪くありません。球速は速いのですが、先発タイプの投手だと思います。

(投球フォーム)

 足をゆっくり引き上げて「間」を重視したフォームです。前に倒れ込むようにして重心を沈ませるフォームなので、お尻の一塁側への落としは期待できません。ですが着地までの粘りは悪くないので、ある程度の変化球は投げられるようです。

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの制球は安定。足の甲の押しつけもできておりますが、その時間が短く粘りに欠けるのが残念です。気になるのは、テイクバックした時に、肘が両肩のラインよりも下がったところから無理に角度をつけて投げるので、体への負担が大きいのと、ボールを押し出すようなフォームになり滑らかな回旋を妨げます。

 投球の4大動作では「着地」までの粘りは平均的なため、体の「開き」も普通です。ただ「球持ち」があまりよくないので、ボールにバックスピンがかけられず球質が悪化。更に前への「体重移動」も上手くできていないので、ボールにウエートが乗って行きません。そういった球質の向上が、今後の一番の課題ではないのでしょうか。

(今後は)

 投手としての型はある程度できているのですが、肝心のボールや体の切れがイマイチです。この点を改善して行かないと、投球の核を為すストレートに磨きがかかりません。そこが上手く改善できれば、投球の基礎的なものはできているので、2年後は楽しみだと思います。社会人などで、良い指導者に出会うことができれば面白いのではないのでしょうか。

(2011年 大学選手権)

 
 
石崎 剛(23歳・新日鉄住金鹿島)投手
180/78 右/右
(三和出身)


 
身でがっしりした理想的な投手体型です。肘がきれいに抜けてきますし、素人目に見ても完成度の高いフォームかと思います。

 この日は20球弱投げたのですが、曲がりの小さいスライダー(カット?)のようなボールが2,3球あったくらいであとはストレートでした。最速は142でした。

 高めのすっぽ抜けも多々ありましたが、低めに伸びてくる球は素晴らしい伸びでした。

 2-0とリードした9回裏に登板しました。先頭の1番川西に1-3から四球、続く代打徳井にいきなり長打性の当たりを打たれるもファールでした。徳井、土生は打ち取って二死三塁までこぎつけますが、4番の山田にはフルカウントから歩かせてしまい、ここで降板しました。

 低めいっぱいにストレートが決まったあとにとんでもないすっぽ抜けがくるなど、まだまだ安定感がないですが、高卒1年目でこれだけ投げられるのは期待大です。オープン戦ではたまに投げているようなので、来年あたり都市対抗予選に出てきてほしいです。

(2009年 9月4日 kimi氏)


 
佐藤 朔弥(22歳・新日鉄住金鹿島)投手
175/76 右/右
(東北出身)



(どんな選手?)

 内角を強きに攻める投球が身上で、気が強いです。140キロ前後の速球に、多彩な変化球を織り交ぜ、まとまりのある投手と言う印象が強いです。

(投球内容)

 中背でオーソドックスなフォームのため、実際生で見てみても、それほど球速ほどの球の勢い・威圧感を感じない投手でした。球速は、135~MAX144キロ。特に140キロ前後の球を常時叩き出すなど、春季大会の時よりも若干の成長を感じます。

 変化球は、縦・横のスライダーに、チェンジアップが最大の武器。フィールディングも上手く、牽制もまずまず鋭く、クィックも1.1秒台と素早いです。投球をまとめるセンスもソコソコあたり、破綻のない投球が出来るセンスがあります。

 ピンポイントに決めるような精度の高さはありませんが、適度に両再サイドに球を散らします。時折甘いゾーンへの球も見受けられますが、四球で自滅するようなタイプではありません。

(今後は)

 素材としての面白味には欠けますが、適度にまとまっておりますし、球の力も悪くありません。更に来春まで身体をいじめて行けば、大学などでも1年生から活躍出来る可能性はあると思います。プロと言う素材ではありませんが、大学・社会人と活躍して行くことを期待したい好投手でした。

(2009年・夏)



 それほど上背はありませんが、オーソドックスなフォームから投げ込んで来る、まとまったタイプの好投手です。

 フォームに癖がなく、それでいて2年夏の時点で135キロ近い球速を連発していたように、最終学年では、MAXで140キロ近い球速も期待出来そうな速さもある選手です。カーブ・スライダーなどを織り交ぜるオーソドックスな配球で、コーナーにもしっかり球を集めることが出来ます。

 名門・東北の主戦投手として、2009年度の活躍が期待される投手です。

(2008年・夏)


 
 
東明 大貴(24歳・富士重工)投手
175/78 右/右
(冨田-桐蔭横浜大出身)


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鷲尾 拓也(24歳・日本通運)投手
169/72 右/右
(能代-国学院大出身)



(どんな選手?)

 昨年の春のオープン戦で、何気なく見ていたら140キロ台の球を投げ込んでいて、それ以来気になる存在になりました。秋のシーズンでは、不動のエースに成長。非常に安定感のある投球で、チームを優勝に導く原動力になりました。ただ神宮大会では、その絶対的な内容を示すほどには至りませんでした。

(投球内容)

 170センチソコソコの上背で、オーソドックスなフォームから投げ込む投手です。一見なんの変哲もないように観える投手なのですが、キレのあるスライダーを低めに徹底的に集める投球術で、相手を討ち取ります。球速は、130キロ台後半~好調時には140キロ台中盤ぐらい。この秋は、53回1/3イニングで、四死球は僅か13個とイニング数に対し1/4以下と言う高い制球力が売りです。その反面、奪三振も18個程度で、奪三振率は1イニングあたり0.38個と極めて少ないのが特徴です。

 試合をまとめるセンス・コントロールに優れ、投球に破綻がありません。中央・澤村、亜細亜・東浜、東洋・藤岡、青学・福島など、名だたるドラフト候補達と比べても、今季の内容は最も打たれる気がしない安定感がありません。来季もその安定感が健在ならば、国学院の上位は揺るがないかもしれません。

(最後に)

 ドラフト候補云々ではないのですが、この秋の大学生の中でも、最も打たれる気がしなかった投手。もし今年も、この投球内容を続けるようであれば、社会人でも一年目から主戦として活躍できるのではないのでしょうか。戦国東都の中でも、頭一つ抜けた安定感を示し続けられるのか、個人的には大変興味があります。

(2010年 神宮大会)

 
 
永井 剛(23歳・HONDA)投手
174/82 右/右
(新潟明訓-武蔵大出身)


 
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平山 洸太郎(23歳・HONDA)投手
179/80 左/左
(鎮西出身)

 
 
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吉越 亮人(24歳・HONDA)投手
176/80 左/左
(国学院栃木-法大出身)



(どんな選手?)

 国学院栃木時代は、3年の春季関東大会ではプロスカウトから注目される存在になりました。それまで球速に乏しく弱々しい技巧派左腕と思っておりましたが、最終学年では躍動感溢れる力投派として、プロを意識できるだけの力を身につけてきました。大学入学後には更にパワーアップして、常時140キロ~中盤ぐらいの球速をたたき出し、リリーフ中心に見栄えのある球を投げ込む楽しみな素材です。

(投球内容)

 テイクバックを小さめに取るので、打者としてはピュッと突然ボールが出てくる感じで、ボールの出所はわかりにい投手。昨年までは、ボールも常時130キロ台後半~140キロ台中盤ぐらいまで出ていましたが、今季は130キロ台中盤程度。更に、あまり繊細なピッチングはできません。そのためボールの勢いは素晴らしいのですが、短いイニングしか任されません。

 イマイチ数字が上がらないのは、球種がストレートとカーブなど使える持ち球が少ないこと。ボールの出所を隠したり、足の伸縮を使ってタイミングを外そうと言う意識はあるのですが、根本の着地までの粘りがなく、その効果が薄いことがあげられます。そのため、けして甘くないコースを突いた球でも、簡単に打ち返されるケースが目立ちます。

(投球フォーム)

 お尻を三塁側にしっかり落とせるフォームでない上に、着地までの「間」が稼げないので、なかなか限られた変化球しか投げられません。また打者からもタイミングが合わせやすい傾向にあります。

 グラブを内にしっかり抱えられ、両サイドの制球は安定しやすいはず。また足の甲の押し付けからも、けしてボールを高めに浮くタイプには見えません。しかし高校時代の繊細さは薄れ上体のブレが激しいのか、けして細かい制球力はありません。

 投球の4大動作に当てはめても、「開き」「球持ち」などは平均的。「着地」などに課題を抱えます。けして「体重移動」が悪いとは思いませんが、ステップの幅が狭いのか?投げ終わったあとバランスを大きく崩します。

(最後に)

 素材としては、プロを意識できるものがあります。しかし、まだその能力を充分生かしきれておりません。社会人に進んで好い指導者に恵まれると、一気にその才能を爆発させることができるかもしれません。ただまずは、元のストレートを取り戻すことから始めたい。


(2011年 春季リーグ戦)




 ストレートは130中盤くらい、タテの大きなカーブと、手元で鋭く曲がるスライダー(カットかも?)を投げる。立ち上がりいきなり10球連続ボールでどうなることかと思いつつも、その後立ち直り日大藤沢を5回までノーヒットに抑えた。2回から5回までは安定しており、この間3ボールが一度もなかった。右打者には内角のカーブでカウントをかせぎ、外のスライダーを打たせる。外角を打たされての内野ゴロや外野フライが多かった。6回以降は疲れがみえはじめ、7回にエラーで逆転を許すも、最後まで粘り強く投げ抜く。

(2007年 5月20日 kimi氏)



 少々ボールを置きに来るような感じのフォームだが、左腕から安定した制球力とマウンド捌きが魅力の実戦派。球速も常時125~130キロぐらいと、2年夏の時点では、合格ラインだろう。

 それほど驚くような球はないが、カーブ・スライダーを織り交ぜて、ズバッと見逃しの三振を奪ったりする。ストライクを先行出来る能力とマウンド捌きが上手く、栃木を代表する好投手として覚えていて損はないだろう。もうワンランク、球威・球速が上がって来ると楽しみな投手だ。あまり雑誌等で取り上げられていないようだが、大学・社会人と長い目で見てみたい投手だ。左腕で制球力が安定している投手は貴重なので。

(2006年・夏)

 
 
本多 俊弘(25歳・かずさマジック)投手
185/78 右/右
(宇都宮工-白鴎大出身)


 
(どんな選手?)

 下級生までは、130キロ台中盤までまとまっている普通の投手との印象が強かったのですが、大学選手権では東京ドームのガンでも140キロを超えてきており、更に低めに球が集まる高い制球力が魅力です。今春のリーグ戦では、8試合に登板して、4勝3敗 防御率1.83を記録しました。

(投球内容)

 球速は、135~140キロ前半ぐらいで、それほど球威・手元でのキレや伸びは感じられません。しかし角度のある球筋と低めや外角一杯にコントロール出来る高い制球力で、相手を抑え込めるのが、この投手の持ち味です。

 変化球は、カーブ・スライダー・それにフォーク系の縦の変化など、一通りのものがあります。フィールディングは、あまり上手く見えませんが、クィックも1.15~1.20秒でまとめるなど、基準以上です。

 マウンド捌きも、上手くマウンドを外したり、外角の微妙な球の出し入れが出来るなど、所謂ピッチングが出来る選手です。そういった意味では、かなり完成度の高い投球を致します。

(今後は)

 プロなると、もう少しストレートにボリューム感とか、キレとか欲しいかなと言う印象はありますし、これは!と武器になるような変化球も欲しいかなと思います。フォームこそ違えど、後一歩物足りなくて中々指名されなかった摂津(JR東日本東北-ソフトバンク)のアマ時代を彷彿させます。

 その後一歩のプラスαを身につけることで、プロ入りへのGO!サインが出た摂津のように、社会人などで球威・決めてなどを磨いてからでも、プロ入りは遅くないのではないのでしょうか。投球の基礎が出来ているので、その辺がプラス出来てくると、プロでも即戦力としての活躍が期待出来るようになると思います。

(2009年・大学選手権)

 
岡本 健(21歳・かずさマジック)投手
178/80 右/右
(神戸国際大附出身)


 
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中根 久貴(24歳・かずさマジック)投手
184/84 右/右
(比叡山-愛知学院大出身)



(どんな選手?)

 一昨年の神宮大会では、MAX146キロのストレートを投げ込む荒削りな投手と言う印象でした。最終学年になった今春は、2勝1敗 防御率 1.96と、それほど絶対的な数字は残しておりません。しかし大学選手権緒戦の東日本国際大戦では、先発のマウンドに上がりました。

(投球内容)

 以前ほど力で押すピッチングスタイルではなくなり、130キロ台中盤~MAX142キロ程度と、かなり大人しくなりました。変化球は、スライダー・チェンジアップ・それにカットボールなどを多く織りまぜてきます。

 元々それほど細かい制球力はなく、ストライクゾーンにボールを集め、アバウトに両サイドに散らし、チェンアップなども混ぜながら、左右・高低と的を絞らせない投球が持ち味。

 牽制やフィールディング・クィック動作など、投球以外の部分の能力は優れますが、投球センス・制球力などは、それほど高いものは感じられません。特に以前ほど、ボールに勢いがなくなったのは、ドラフトと言う観点では魅力が薄れました。。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込みます。引き上げた足は、地面に向けて伸ばすのでお尻の一塁側への落としは深くはありません。ただ「着地」までの粘りは悪くはないので、それほどフォームが淡白な印象はうけません。

 グラブをしっかり最後まで内に抱えられておりますし、足の甲の押し付けも悪くないのですが、もう少し「球持ち」をよくしないのと、指先まで力が伝えられず細かいコントロールがつきにくい要因となります。テイクバックした時に、両肩のラインよりも肘が下がり、ボールを押し出すようなフォームになっています。更にリリースの時に右肩は上がり、左肩は下がるようになっているので、体への負担も少ないはず。故障への可能性や疲労の貯まりやすい無理のある投げ方です。

 セットポジションから投げ込むのもあって、少し「開き」が早く、球の出所がわかりやすいフォーム。「着地」までの粘りは悪く有りませんが「球持ち」が浅く、ボールにバックスピンがかけられないので、ボールが手元で伸びてきません。更に「体重移動」も上手く行っていないので、前にグッと体重が移らず、ウエートの乗った勢いのある球が投げられません。そのため球速ほどボールの勢いを感じ無いのは、その辺に理由がありそうです。

(最後に)

 どうしても先発で試合をつくろうとすると、球速が抑えられてしまうのは致し方ないことだと思います。しかしその分、制球力や投球フォームの欠点が解消されているのかと言われると疑問です


 やはりこの投手は、リリーフで持ち味を発揮するタイプでしょうし、まだまだ発展途上の段階。社会人などで速球の勢いを取り戻しつつ、課題を克服して行けるのかにかかっていると思います。本人の意欲と環境次第では、2年後のプロ入りも期待できないわけではないので、これからの成長に期待して見守ってゆけたらと思います。

(2011年 大学選手権)



(どんな選手?)

 まだ荒削りなのですが、MAX146キロを記録する速球を投げ込む、ポテンシャルを秘めた選手です。

(投球内容)

 少しシュート回転するのですが、常時140~MAX146キロまで記録する、球速豊かな投手です。特に素晴らしいのが、スライダーの曲りの大きさ。この球を、もう少し自在に操れるようになると面白いと思います。その他、チェンジアップ系の球もあるようです。

 クィックは、1.05秒前後と高速で、けん制も極めて上手い選手です。ただそういった動作の機敏さは感じますが、投球をまとめるセンス・指先の感覚など、そういった投手としてのセンスは、あまり感じられません。ただ制球に関しては、アバウトではありますが、けして制球難ではなさそうです。

 投球フォームも、お尻を一塁側に落とせるタイプではないので、将来的にもスライダー・チェンジアップ系の投手だと思います。「着地」「開き」「球持ち」などは悪くないのですが「体重移動」がもう一つで、前に体重が乗ってこないので、球速ほどボールに勢いが感じられません。またテイクバックした際に、肘が下がっているのでボールを押し出すようなフォームになっているのも気になります。腕を体から離れた位置を軌道しブンと放るタイプなので、元来細かい制球力がつくタイプではないのではないのでしょうか。現状は、球速表示ほど苦になる球質ではないので、打者からもそれほど甘くない球でも打たれる場面が目立ちました。

(今後は)

 速い球を投げるポテンシャルと言う意味では、逸材揃いの愛知学院大の中でも、1,2を争う素材なのではないのでしょうか。その反面、実戦面と言う意味では、まだまだと言う感じが致します。

 ものすごく荒々しいタイプではないのですが、課題は山積みです。志しを高く持って、課題の克服に努めて欲しいと思います。

(2009年 神宮大会)

 
 
加藤 貴之(21歳・かずさマジック)投手
182/80 左/左

 
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小原 和己(24歳・JFE東日本)投手
185/82 右/左
(花巻東-東海大北海道出身)

 
 恵まれた体格から投げ下ろす150キロの速球は、プロ注目の豪腕。

 
森崎 高文(24歳・鷺宮製作所)投手
176/74 右/右
(岐阜工-中部学院大出身)


 
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山崎 雄飛(25歳・東京ガス)投手
180/85 右/右
(芝浦工大附-中央大出身)

 
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吉原 純平(25歳・東京ガス)投手
176/76 左/左
(広島商-龍谷大出身)


龍谷大時代から好投手として知られ、過去何度か見ておりますが、球威・球速に欠ける投手なので、今までドラフト候補として観たことがありませんでした。ただドラフト系の雑誌などにも名前があがっているので、今回は取り上げてみます。都市対抗予選では4試合に登板し、防御率 2.49 と活躍。本戦出場に貢献。本戦でもルーキーながら、東京ドームのマウンドに立ちました。

(投球内容)

 武田勝(日ハム)のように、テイクバックを小さめにとって投げ込む軟投派左腕。ストレートは、常時130キロ前後と相変わらず、球威・球速はもうひとつ。カーブのようなスライダーとのコンビネーションで、低めやコースを丹念について打ち取るピッチングスタイル。極稀に、スクリュー系の球も、右打者に投げていました。

 牽制はそれほど鋭いものはあまり魅せませんが、フィールディングは非常に上手い選手。ただクィックは、1.2~1.3秒強と正直あまり上手くありません

 特にこれはという球や特徴はないのですが、左の中継ぎとして大崩れせずに、後の投手につなげるまでの、目先を変えるアクセントとして役割を果たしていました。

(投球フォーム)

 引き上げた足を地面に向けて伸ばし、「着地」までの粘りにも欠けるので、やや淡白な印象を受けます。将来的にも、球種を増やし投球の幅を広げて行けるのかは微妙でしょうか。

 グラブは最後まで内に抱え、両サイドの制球は安定。足の甲の押し付けや「球持ち」も悪くはないので、ボールを低めに集めたりと制球に大きな破綻はありません。ただ時々甘く真ん中近辺に入る球があるのが気になります。

 お尻は三塁側に(左投手は)落とせませんが、カーブやフォークなどの球種を多投しないので、それほど問題はないかと。腕の角度もスリークオーターなので、肩への負担は小さいと言えるでしょう。故障などの可能性は、かなり低い投手ではないのでしょうか。

 「着地」までの粘りはないので、打者としてはそれほど合わせ難いフォームではないと思います。ただ「開き」は早くないので、ボールの出所が見やすくはありません。振り下ろした腕は体に絡んでくるので、速球と変化球との見分けは難しそう。「体重移動」は悪くなさそうに見えますが、実際にはボール手元まで来る感じは致しません。もう少しストレートを磨いてゆかないと、厳しいでしょう。

(今後は)

 ルーキーながら、都市対抗出場に貢献するなど、実績は残しています。しかし球威・球速・特徴などの面からも、ドラフト候補としては現状考えにくいと思います。ただ今季、どんな投球をするのか、適齢期の投手だけに、一度ぐらいはしっかり確認してから再度評価を下してみたいと思います。

(2011年 都市対抗)


 

石川 歩(25歳・東京ガス)投手
185/69 右/右
(滑川-中部大出身)

 
 
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難波 剛太(24歳・東京ガス)投手
177/77 右/右
(春日部共栄-明治大出身)


 1年生ながら、すでにエ-ス的存在の投手。伸びのある常時130キロ台の速球を投げ込める能力があり、カ-ブ・スライダ-を織り交ぜたオ-ソドックスなピッチングスタイル。右打者には外角一辺倒の投球であるが、左打者には内角をスライダ-で厳しく攻めることができる。投手としてのまとまりがあり、すでに安定感を持っているところは頼もしい。

 課題としては開きの早いフォ-ム、身体の近くを腕が軌道しないフォ-ムにある。今後も春日部共栄の主戦として活躍し続ける投手だろう。どんな進化を遂げて行くのか見守りたいと思う。

(2007年・夏)

 
 
岩佐 海斗(23歳・東京ガス)投手
187/74 右/右
(成立学園出身)



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那須 裕志(22歳・東京ガス)投手
180/70 右/右
(日章学園出身)


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白崎 勇気(24歳・JR東日本)投手
178/74 右/右
(駒大岩見沢-駒沢大出身)



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阿知羅 拓馬(21歳・JR東日本)投手
189/88 右/右
(大垣日大出身)


 
 
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吉田 一将(23歳・JR東日本)投手
191/90 右/左
(青森山田-日大出身


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上松 英一朗(25歳・明治安田生命)投手
184/80 右/両 
(中央大出身)



(どんな選手?)

 中央大時代は、澤村(巨人)らと共に主力投手として活躍。特に故障の山崎雄飛(東京ガス)に代わり、第二戦で先発などをしていました。元々ストレートにボリューム感がなく物足りない投手でしたが、年々少しずつ球速を伸ばしてきた努力家です。都市対抗では、東京ガスに補強され、東京ガス第二戦の先発を任されました。

(投球内容)

 オーソドックスな右本格派ですが、この日は制球が定まらず苦しみました。球速は常時138~142キロぐらい、ストレートにはそれなりの勢いがありました。しかし高めに浮く変化球を狙い打たれ、序盤でマウンドを降りることに。その変化球は、右打者にはスライダーを、左打者にはチェンジアップを多投します。

 気になるのは、かなり球がバラつく制球力。特にストレートも高めに浮くものの勢いがあってそれほど打たれませんが、変化球は狙い打たれます。元々まとまりが売りの投手でしたから、その辺は気になります。フィールディング・牽制も平均的で、クィックも1.2秒台前半と大きな破綻はありません。まだまだ大舞台での経験が、不足していたということでしょうか。

(投球フォーム)

<広がる可能性>

お尻の一塁側への落としも悪くなく、着地までの粘りも悪く有りません。そのため無理なく変化球が投げられる土台がある割に、ボールが上手く扱えていないのは残念です。球持ちも悪いようには見えないのですが、指先の感覚が悪いですね。そういった意味では、今はストレートよりも、むしろ変化球に課題を感じる内容でした。

<ボールの支配>

グラブも最後まで抱えられているし、足の甲の押しつけも悪く有りません。そのため球のバラツキの原因がよくわかりません。リリースが緊張で不安定だったと言ってしまえばそれまですが、そこまで「球持ち」も悪くは見えませんでしたが・・・

<故障のリスク>

お尻も一塁側に落とせる方なので、体を捻り出すのに無理は感じません。振り下ろす腕の角度にも無理はないので、故障し難いフォームであるように思えます。けして頑強な体には見えませんが、そういった意味では新しいことにも積極的にチャレンジできそうです。

<実戦的な術>

着地までの粘りは平均的で、体の「開き」も並で可も不可もなし。ただ気になったのは、緊張のせいか腕が振れておらず、投げ終わったあとも体に絡んできません。ただ体重移動は好いので、ボールにある程度体重が乗せられており、手元までの勢いも悪く有りませんでした。実際に試合で打たれたのも、ほとんど変化球でした。

(今後は)

 まだストレートにも特別なものは感じませんでしたが、何より変化球・制球力の精度を上げることではないのでしょうか。来年ドラフト候補に成り得るかと言われると微妙なのですが、この一冬の成長次第では、浮上してきても不思議ではありません。

 ただ今は、パワーアップ以上に投球の繊細さが損なわれているので、その状態でのパワーアップには危険を感じます。足元を見据えながら、全体のレベルアップに努めて欲しいと思います。

(2011年 都市対抗)


 
 
大山 暁史(25歳・セガサミー)投手
168/67 左/左
(別府青山-亜細亜大出身)

 
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浦野 博司(24歳・セガサミー)投手
178/70 右/右
(浜松工-愛知学院大出身

 
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松永 大介(24歳・セガサミー)投手
185/90 右/右
(九州学院-上武大出身)

 
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大塚 椋司(23歳・JX-ENEOS)投手
178/78 右/右
(聖望学園出身)



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三上 朋也(24歳・JX-ENEOS)投手
190/85 右/右
(県岐阜商-法政大出身)

 
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北原 郷大(25歳・JX-ENEOS)
179/85 右/右
(穴吹-亜細亜大出身)



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福田 芳幸(24歳・三菱重工横浜)投手.
180/85 右/左
(九州学院-横浜商科大出身)



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フェリペ・ナデル(25歳・ヤマハ)投手
176/84 右/右
(カントリーキッズ高出身)


 
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(どんな選手?)

 日本人枠でのドラフトを目指して、ブラジルからやってきた選手です。今やヤマハの主戦として今年のプロ入りを狙うまでに成長致しました。5年目の今年のシーズンを終えれば、日本人扱いで、ドラフトを迎えられます。

(投球内容)

 外国人特有の上体投げではなく、下半身を使い配球も日本人的な細やかな投球をします。以前は、140キロ台中盤のストレートでグイグイ押していたようですが、今は常時135キロ前後~MAXでも140キロ前後ぐらいとだいぶ大人しくなりました。その分、制球・投球術にまとまりが見られます。

 小さく横滑りするスライダーを武器に、ブレーキの効いたカーブ・フォークなども投球に織り交ぜます。またフィールディングや牽制は悪くありませんが、クィックが1.2~1.4秒ぐらいと球種などで波があり、。モーションが大きな欠点があります。

 右打者には外角に集め、外角低めのスライダーで仕留めます。また時折フォークなども交えてきます。左打者には、内角を厳しく突きつつ、外角に球を散らす配球。投球に大きな破綻はなく、適度にまとまっていると言った感じです。現状は、絶対的な球種がないのが残念です。

(投球フォーム)

 外国人で、これほどお尻を一塁側に落とせる選手を初めてみました。着地までの時間も稼げているので、見分けの難しいカーブやフォークなどの球種を無理なく使えます。また腕を真上から振り下ろしますが、けして無理な方法で投げていないので、体への負担は少なそうです。

 グラブもしっかり内に抱えられているので、両サイドの制球は安定しております。ただ足の甲の押し付けの時間が短いので、下半身のエネルギー伝達に課題を残します。

 投球フォームの4大動作においては、「着地」「球持ち」はいいです。課題は「開き」の早いフォームと「体重移動」が上手く行っていないので、ボールが手元まで勢いがありません。もう少しウエートの乗った球が投げられると、見違えるようになると思います。

(今後は)

 投球にまとまりが出てきたのは評価できるのですが、ストレートが大人しくなってしまい魅力が半減致しました。ストレートの勢いを取り戻すことができれば、祈願のプロ入りも充分期待できると思います。ストレートに、あえてもう一度こだわって欲しいと思います。

(2010年・都市対抗)



(どんな選手?)

 ブラジルのカントリーキッズ高校出身の黒人投手です。非常に日本人的なフォームをしている点が、外国人特有の身体能力と相まって魅力的です。

(投球内容)

 球速は、常時140キロ前後(MAX142キロ)程度と、驚く程ではありません。ただ球速以上に球威があり、球には力があります。ただ空振りを取るような回転の好い球質ではなく、あくまでも詰まらせて微妙にタイミングをずらすタイプの速球です。

 最大の変化球は、130キロ台のカットボール。この球を中心に添えつつ、カーブ・スライダーなどを織り交ぜてきます。細かい制球はありませんが、四球で自滅すような不安定さは感じません。

(今後は)

 来日3年目を迎える来年は、ヤマハの主戦として活躍が期待されます。緩急を活かすためのカーブが緩く、プロレベルではどうかな?と言う部分と、縦の変化がないところ・速球で空振りが取れないところが、少々物足りないように思えます。その辺で、プロ云々となると微妙なのですが、もうワンランク上積みがあるとNPB入りも意識出来る素材かもしれません。今後の成長に期待したい1人です。

(2009年・都市対抗)

 
戸狩 聡希(23歳・ヤマハ)投手
177/78 左/左
(常葉菊川出身)


 
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武内 仁志(25歳・ヤマハ)投手
185/82 右/右
(倉吉東-近大出身)



(どんな選手?)

 大学選手権でも先発しておりましたが、関西5リーグ対抗戦でも生で観戦してきました。ブルペンでは、素晴らしい球を投げ込むのですが、中々実際マウンド上がって見ると、その力がまだ充分発揮出来ない側面があるようです。しかし大学選手権での投球は、それなりに見るべきものがありました。

(投球スタイル)

 この選手の最大の良さは、腕を強く振れる点です。その反面、下半身が弱くバランスを崩すところに課題があります。生で図った時は、MAX142キロ程度だったのですが、大学選手権では、常時140キロ台~MAX144キロを記録。スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜておりました。

 制球は、かなりアバウトなのですが、クィックは1.0秒台~1.2秒ぐらいと素早く、牽制などが非常に上手い選手です。ただ、まだまだ粗いというか、実戦派と言う程ではありません。

(今後は)

 体格にも恵まれておりますし、もう少し下半身がビシッとして来ると、来年は150キロ近い球速を叩き出しても全然不思議ではないと思います。そういったポテンシャルの高さは感じますが、実戦的な投球・その力をマウンドで出せる程にはまだ至っていないと思います。来年どのぐらいまでに育っているのか、個人的には気になる本格派右腕でした。春には、再びその成長ぶりを確認に行きたい存在です。

(2009年・大学選手権)

 
 
上杉 芳貴(25歳・トヨタ自動車)投手
179/75 右/右
(豊田西-中京大出身)

 
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相本 芳洋(24歳・JR東海)投手
182/84 右/右
(華陵-徳山大出身)


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菅野 智也(24歳・JR東海)投手
188/79 右/右
(東総工-東京情報大出身)

 
(どんな選手?)

 ドラフトの目玉・東海大の菅野 智之投手と一字違いですが、こちらもなかなか素晴らしい投手です。サイドハンドから繰り出す140キロ台のストレートで、東京情報大の絶対的エースに君臨。5勝0敗 防御率 0.62 の好成績で、チームを初の全国大会に導きました。

(投球内容)

 非常に力みのないフォームから、コンスタントに140キロ台~MAX143キロぐらいのストレートを投げ込んできます。変化球は、カーブ・カットボール・スライダー・シンカーなどで、両サイドに球を散らせて来るのが身上。

 クィックは、1.2秒強とそれほど素早くはありませんが、フィールディング・牽制なども基準レベル以上です。マウンド捌きも、さすがに安定しており、千葉リーグ屈指の投手だと言われるだけのことはあります。ただ制球は、ピンポイントに決めるような絶妙なものではなく、おおよそ両サイドに散らせるといった感じですし、それほど三振をバシバシ奪うと言うよりは、コースに集めて討ち取るタイプです。

(投球フォーム)

 ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込みます。この選手は、途中まではスリークオーターやオーバースローの投手に近いフォームで、体をおこして投げ込むタイプのサイドハンド。ただ残念なのは、「着地」までの粘りが感じられない点。そのため投球フォームに、あまりイヤらしさを感じません。

 グラブも体の近くにはありますが、しっかり内に抱えていると言うほどでもありませんし、足の甲での押しつけも極めて短いタイプ。更に肘を立てて投げているわけではないので、指先まで力は伝え難く、おおよそにはコントロールできても細かい制球は付けにくい特徴が観られます。ただサイド故に、体への負担は少ない故障し難いフォームではあります。

 「着地」までの粘りは感じられませんが、体の「開き」は平均的。サイドハンドに多く観られる、早めに開くタイプではけしてありません。ただその分、変化球の曲がりは小さく、絶対的な武器がないのも確かです。「球持ち」もそれほど長くありませんし、体重がグッと前に移るような「体重移動」も観られないので、手元でグッと勢いが乗って来るような感じの球ではありません。

(今後は)

 確かにすべての面で、総合力の高い良い投手です。ただプロと言うことを想定すると、抜けたものがないかなと言う印象を受けます。ただ力はあるので、社会人などで全体の底上げが出来てくると、またその印象は変わって来るかもしれません。

 まだ動作一つ一つ、投球一球一球を観ていると、思い入れが足りないように思えます。もうワンランク上のこだわり、注意力、意識などを持って野球に取り組めれば、近い将来プロのユニフォームを着ることになるかもしれません。今後の成長を期待して、見守ってみたいと思います。

(2011年年 大学選手権)



 130キロ台の速球にスライダーなどを織り交ぜてくるサイドスロー。今春ベスト4に進出した同校のエースで、17イニング3分の2を被安打12、奪三振16、四死球0、自責点5の成績。抜群のコントロールを誇る。

(2007年 6月28日 千葉県元球児氏)

 
上村 勇太(21歳・JR東海)投手
178/80 左/左
(東邦出身)

 
 (どんな選手?)

 旧チームからエースナンバーを付けている左腕投手ですが、気持ちの強さを活かした勢いで押すタイプの左腕です。ただ現在までのMAXは137キロ程度と言うことで、それほど一冬超えて伸びていないのかな?と言う気も致します。

(投球内容)

 かなり突っ込んで、投げ急ぐ感じのフォームです。そのため着地までの粘りに欠けるので一辺倒な印象は受けますし、リリースもバラツキます。

 昨夏の時点で、速球は常時130キロ強~135キロぐらいの勢いは感じさせてくれました。ただ速球とスライダーとのコンビネーション投手なのですが、制球が安定しません。そんな中、カーブではきっちりカウントを取れており、この球があることで、投球を組み立てることができておりました。

 エースナンバーを付けている割には、まとまり、制球力に不安があり、かなりアバウトと言うか、微妙なバランスの上で成り立っている感じです。けしてマウンド捌きが洗練されているとか、野球センスを感じさせるタイプではありません。勢いで押せる時は好いのですが、そうでない時はどうなのかな?と言う疑問は残ります。

(今後に向けて)

 この一年で、どのぐらい安定感・総合力を引き上げられたのか気になるところです。いずれにしても、高卒プロとか、そういった絶対的なものは感じません。どういった自分の特徴を見出しているのか、その成長ぶりをぜひ確認できればと思います。

(2009年 夏)

 
高橋 康平(24歳・永和商事ウイング)投手
182/75 右/右
(星稜-天理大出身)

 
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玉水 健太(24歳・王子)投手
176/77 左/左
(神戸国際大附出身)



 中背のオーソドックスなサウスポーです。常時球速は、125~130キロぐらいでしょうか。MAXでは、136キロまで到達したそうです。主に左腕とのコンビネーションで特に右打者内角に食い込む、クロスへの速球を得意としておりました。

 そのため球速以上に打者は、食い込まれていた印象です。ただそれほど手元でキレる球質ではないので、空振りを誘うと云うよりは、内角の球で詰まらせて討ち取るタイプでしょう。大学あたりに進んで野球を続けて行く選手ではあると思いますが、現状特徴らしい特徴が見当たりません。上のレベルで活躍するためには、総合力を引き上げて欲しいと思います。

(2007年・夏)


 

梅津 寛樹(23歳・王子)投手
181/77 右/右
(山形中央出身)


 
 
MAX144キロと言われる選手ですが、実際に130~136キロぐらいで、制球力が身上の好投手といった印象を受けます。特に上体の鋭さを生かし、あまり下半身が使えないフォームになっております。

 足をピンと伸ばすことなく推進するフォームで、地面に着きそうな高さから、前にステップして着地のタイミングを遅らせることが出来ております。

 気になるのは、グラブが最後後ろに抜けてしまい抱え切れていない点です。ただ足の甲の押しつけ、粘りは悪くありません。左右のコーナーワークには不安があるものの、低めに球を集めるのが身上の投手なのでしょうか?

 少し前に身体を傾けるフォームなので、ボールを隠すことは出来ております。また着地の時点でも、ボールを持った腕は隠れており、球の出所は遅そうです。肘をテイクバックの際にしっかり引き上げつつ、腕に無理な角度をつけないのが良いです。ただもう少し球を長く持っていられるようになると、もっと実戦的な投球が出来るような気がいたします。

 投げ終わった後の腕の絡み、バランスなどは悪くないのですが、前への体重の乗りが悪いです。そうするとどうしても、速球の勢いが物足りないものになっていそうです。

 投球の4大動作である着地・球持ち・開き・体重移動の観点では、球持ちと体重移動に課題があることがわかりました。この変が改善出来てくると、もっと生きた球が手元まで来る気がいたします。腕の振りも良く、実戦派としての魅力はありそうですが、もう少し球威・球速を増して迫力を付けたいですね。今後のパワーアップに期待したい投手です。何処かで、生の投球を観れればと思っております。

(2008年・夏)


 
金平 将至(22歳・東海理化)投手
183/73 左/左
(高岡第一出身


 
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森田 貴之(24歳・東海REX)投手
175/83 右/右
(大垣日大-明治大出身)


 
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武石 卓(24歳・東海REX)投手
186/93 右/右
(森-愛知学院大出身)


ごろんとした体型の投手だが、2年夏の時点で130キロ前後の重い速球とカーブ・チェンジアップを投げ込んでいた。最終学年では、MAX141キロまで球速を伸ばしたと云われ、大分を代表する好投手として注目された。

 特にチェンジアップが非常に有効な武器。この球を活かして、今後の活躍も注目される存在だ。また馬力のある体格を活かしての打撃にも期待。チームでは、まさに投打の柱だった。

(2006年・夏)

 
 
高木 勇人(24歳・三菱重工名古屋)投手
178/80 右/右


 
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好永 貴雄(25歳・西濃運輸)投手
175/66 左/左



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岡本 亮(23歳・HONDA鈴鹿)投手
177/68 右/右
(南部-大産大出身)


 
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八木 修平(24歳・HONDA鈴鹿)投手
178/82 右/右
(武蔵台-西南学院大出身)


 大学時代から、九州では注目されていた速球派。

 
 
濱矢 廣大(20歳・HONDA鈴鹿)投手
185/80 左/左
(日高中津分校出身)


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中村 駿介(25歳・日本新薬)投手
186/93 右/右
(滋賀学園-亜細亜大出身)

 
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井藤 孝平(25歳・日本新薬)投手
180/75 左/左
(朝日大出身)



(どんな選手?)

 均整の取れた体格の左腕で、ワンテンポ遅れて出てくるような、独特のフォームで相手のタイミングを崩すのが自慢。都市対抗予選では登板がありませんでしたが、本戦ではリリーフとして登場し、スカウトにその存在感を示したルーキーでした。

(投球内容)

 ストレートの球速は、135~MAX142キロぐらいと平均的。ただ少し、タイミングが取りにくいフォームに特徴があります。球速も力を入れれば140キロ台を連発できるのですが、力を入れて投げると制球を乱す傾向にあり、平常心で130キロ台後半のストレートを投げている方が良さそう。

 変化球は、思わずタイミングを狂わされる100キロ台の大きなカーブ。それに120キロ台のスライダーを併せ持ちます。ただ気になるのは、速球も変化球も高めに集まるので、タイミングを狂わされても、バットに当てて粘ることができます。クィックこそ1.15~1.20秒でまとめられますが、マウンド捌き・制球力共に、まだまだ安定感に欠けるところがあります。

(投球フォーム)

 やや変則故にバランスが悪いのですが、その分タイミングが取りにくいのが、また長所でもあります。

 お尻を三塁側(左腕は)に落とせないフォームなのですが、やや無理な体の動かし方をしてカーブを捻り出します。グラブをしっかり抱えられ、足の甲の押しつけもできている割に制球が定まらないのは、フォーム全体の軸がブレてしまっているからでしょう。

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」においては、かなり後ろまで入るテイクバックのため故障は心配ですが、なかなかボールが出てこない「開き」の遅さに最大の特徴があります。課題は、「体重移動」が上手くできていない、エネルギー伝達の悪さにあります。そのためストレートに勢いは出しにくいのですが、タイミングがとりずらいと言う効果があります。

(今後は)

 これといった武器はないのですが、打ちにくさを全面に出して、イヤラシイ投球に徹して欲しいですね。ただプロとなると、何か武器になる球が欲しいかなと思います。指名解禁を迎える今年、貴重な左腕として注目されると思いますが、その期待に応えられるのか注目したいですね。

(2010年・都市対抗)


 
 
榎田 宏樹(25歳・日本新薬)投手
174/76 左/左
(小林西-日本文理大出身

 
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山田 遼摩(24歳・ニチダイ)投手
181/87 左/左
(立命館宇治-立命館大出身)



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西原 圭大(25歳・ニチダイ)投手
178/76 右/右
(今治西-関西外語大出身)

 
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藤井 貴之(25歳・日本生命)投手
185/85 右/右
(天理-同志社大出身)

 
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吉原 正平(24歳・日本生命)投手
172/75 右/右
(東筑紫学園-東農大出身)


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山本 翔(24歳・日本生命)投手
178/78 右/左
(郡山-大教大出身)


 
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柿田 裕太(21歳・日本生命)投手
181/80 右/右
(松本工出身


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秋吉 亮(24歳・パナソニック)投手
182/76 右/右
(都足立新田-中央学院大出身)


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平川 貴大(23歳・大阪ガス)投手
181/77 右/右
(上宮太子-同志社大出身)



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萬谷 康平(26歳・ミキハウスREDS)投手
185/78 右/左
(阪南大高-阪南大-シティライト岡山)



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宮迫 清ニ(24歳・和歌山箕島球友会)投手
179/69 右/右
(江の川-三重中京大出身)


 今年の春先から145キロのストレートを投げるという情報を得ていまして、更に大会のパンフレットにもハッキリ140キロ台後半の速球をと書いてあり、大会二日目に足を運んだのは、この選手の確認でした。

 三重中京大時代は、則本(楽天)の一学年上でチームのクローザーなどを任されていたと聞きますが、全然覚えておりません。しかし箕島球友会でも、不動のクローザーとして君臨している存在です。

(投球内容)

 ランナーがいなくても、セットポジションで勢いよく足を高い位置まで引き上げてきます。マウンド捌きも堂々としていて、俺様投手といった雰囲気が漂ってきます。

ストレート 常時130キロ前後~130キロ台中盤

 ブルペンではフォームに躍動感があって、かなりの球速が期待できるのでは?と思いましたが、マウンドにあがったら全然でした。何処か痛めているのか、クラブチーム故に全くの調整不足だったのかはわかりません。少なくても現時点では、このぐらいの球速しか出ないようです。結局優勝した箕島球友会ですが、彼が登板した試合はこれだけでした。

変化球 カーブ・フォーク・スライダーなど

 フォームにも躍動感があるので、速球と変化球の見極めは難しそう。もしこれに140キロ台後半のストレートを投げ込まれたら、そりゃかなり厄介な投手だと思います。特に要所では落ちる球を多投するので、この球がフィニッシュボールのよう。ただ縦の変化を投げすぎて、肘か肩を痛めている可能性もあります。

その他

 クィックはかなり鋭く、1.05秒前後と高速。更に牽制もターンが素早く、ランナーが刺される可能性も高いでしょう。細かい駆け引きやコントロールはありませんが、マウンド度胸は良さそうで生粋のリリーバーとの雰囲気が漂います。

(投球のまとめ)

 状態さえ良ければ、変化球とのコンビネーション冴えてプロをも意識できるのではないか?そんな予感が漂います。ただ現状は、ストレートが全くの状況なので、指名云ではありません。細かい投球術でかわしたり、コースを突くとかきめ細やかさはありません。予選の5回1/3イニングで、四死球は3つ。悪い時に悪いなりというのは、難しいのかもしれません。

(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆☆

 足を高い位置で、ピンと伸ばしたまま推進させるフォーム。お尻は比較的一塁側に落とせるので、体を捻り出すスペースを確保。これによりカーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に落差のあるボールの修得にも無理がありません。

 「着地」までの粘りも悪くなく、体を捻り出す時間が確保出来ています。そのため、好い変化球を身につけられる下地はできています。実際に変化球レベルは低くなく、単なる速球派ではありません。むしろ速球と変化球のコンビネーションで打ち取るタイプなのでしょう。

<ボールの支配> 
☆☆☆

グラブは最後まで体の近くにあるので、両サイドの投げ分けは安定しそう。足の甲でも地面を捉えているように見え、ボールも低めに抑え込めそうな感じは致します。実際ストライクゾーンの枠の中には苦になく集められる感じはしたのですが、細かいコントロールが効かないのは「球持ち」が浅く、リリースが安定しないから。もう少し指先の感覚を磨けば、ボールを上手くコントロールできそうです。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻は落とせるフォームなので、カーブやフォークといった球種を投げても、肘への負担は少なくは見えます。しかし振り下ろす腕の角度は多少無理がありそうで、腕の送り出しに負担を感じます。こうなると肩への負担も大きく、痛める原因になりかねません。パフォーマンスの低下が肩痛にあるのならば、腕の角度を緩和させるのが一番の方法でしょう。しかしそうなると、縦の変化の効果は薄くなりそうです。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは悪くないので、打者としては合わせやすくはなさそう。体の「開き」も抑えられ、コースにしっかり投げ込めれば打たれる心配は薄いと言えます。

 ただ残念なのは痛むせいなのか?わかりませんが、腕が体に絡むほど振り抜けないこと。そしてボールに上手くは体重が乗せられておらず、そのことは地面の蹴り上げが殆どないことからもわかります。あくまでも、上半身の力で投げていることになります。これだと、上半身に大きな負担がかかっているのも頷けます。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点で言えば、「着地」や「開き」などがよく、打者としては合わせ難いはず。その一方で、「球持ち」が浅くコントロールが安定しなかったり、「体重移動」が不十分で、打者の手元まで生きた球がゆかないのが気になります。

(最後に)

 速球派でありながら、好い変化球を投げられる下地があること。打者からは合わされ難いフォームをしているのは、大きなアドバンテージ。これに噂どおり140キロ台中盤~後半のボールが蘇れば、それは非常に楽しみな投手ではないのでしょうか。立て直しを期待して、今後も注目して行きたい投手でした。

(2013年 全日本クラブ選手権)

 
 
守安 玲緒(25歳・三菱重工神戸)投手
182/78 右/右 
(富士大出身)


 
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安井 亮輔(21歳・三菱重工神戸)投手
174/74 左/左
(酒田南出身)



 (どんな投手?)

 下級生の時から活躍する実戦派左腕として知られていた投手です。ただ私自身春季東北大会のレポートでも書いた通り、一冬超えて伸びておらず高卒プロはないなと思っていた投手でした。ただ夏の山形予選では復調したと聞いていたので、どんな投球を甲子園で魅せてくれるのか楽しみにしていた選手です。

(投球内容)

 中背の体格から、常時130キロ台前半~MAX139キロの速球を投げ込んで来ます。この投手、意外に体格の割に球威のある球を投げ込みます。速球に関しては、空振りを誘うというよりは、ズバッと好いところに投げ込んで見逃しで三振を奪います。またスライダーに関しては、鋭く切れ込んで来るので、この球で空振りを誘うピッチングスタイル、あとは武器であるチェンジアップを織り交ぜて投球を構成致します。クィックは、1.2~1.3秒ぐらいと平均的。フィールディングは、左投手ながらその動き・判断力に優れます。右投げならば内野手としてもと言うセンスが感じられます。

 右打者には、アウトコースに速球・カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜつつ、低めにスライダー・チェンジアップを振らせるパターン。左打者に対しては、とりあえずストライクゾーンに集めようと言うアバウトな配球です。マウンド捌きは洗練されておりますが、細かい制球力・投球フォームなど意外に洗練されておらず、投手としても結構カッカしやすい部分があるのかなと思いながら見ておりました。特に右打者からは、球が見やすいのか?甘くない球でも結構痛打を浴びておりましたし、左打者には球全体が高い怖さを感じました。投球全体に繊細さが、物足りないです。

(今後は)

 生で観ているとよくわかりましたが、高卒プロとしてはスケール・内容的に物足りない投手でした。それは、甲子園の映像で見ても同様でした。左腕で高い野球センスの持ち主と言うことからも、大学や社会人あたりで、どうそのセンスを活かし、投球を磨いて来るのか注目したいですね。

 ただ今大会を見て思ったのは、意外にスイングが力強いと言うこと。山形大会の模様などを観る時は、野手としての観点から一度見てみたいかなと思ったりしました。

(2009年・夏)



 山形大会で奪三振マシーンとして活躍した小柄なサウスポーです。上背はないのですが、腕に角度があり、投げ降ろして来る感じのサウスポーです。

球速もすでに135~MAX140キロぐらいまで到達しており、角度と力強さを兼ね備えた速球を投げ込んできます。変化球もブレーキの良いカーブ、横滑りするスライダー・外に逃げるスクリューなど一通りの球種を持っております。

右打者にはアウトコースにしっかりコントロール出来るのですが、左打者への制球に課題。球がばらついて、高めに浮く球も多いです。しかしヒットは、むしお右打者の方が多い印象で、もう少し内角を突くなりして、アウトコースの投球を生かしたいです。あとは、もう少し縦の変化があると理想的かなと思います。牽制は並レベルで、クィックも1.3秒前後と基準である1.2秒に比べると、やや遅いです。それほど試合をまとめるタイプと言うよりは、球の威力で圧倒するタイプかと思います。

体格の無さをもろともしない、中々面白い存在の左腕です。更に球速を増し、投手としての総合力を増して来ると、左腕と言うメリットもあり、ドラフト候補として注目されると思います。すでに水準レベル以上のストレートを投げ込みますから、来年度の東北を代表する左腕として注目して行きたいですね

(2008年・夏)


 
 
中元 勇作(25歳・伯和ビクトリーズ)投手
178/66 左/左
 (竹原-近大工学部出身)



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前田 慎一郎(24歳・三菱重工三原)投手
191/82 右/右
(熊本工出身)


 
高校時代は、熊工で注目された大型右腕。ルーキーだった昨年も、中国地区で注目された大型右腕です。ただ投球練習時から制球が定まらず、完全にビビッてしまったのか、腕が縮こまったままの登板でした。

 球速も130キロ前後ぐらいしか出ず、如何せんストライクが入りません。個人的には、かなり期待していたのですが、残念な結果に終わりました。木嶋とこの前田の乱調が、カープの逆転を許す大きな要因になったことは否ません。身体は大きいのですが、ハートの方が心配になってしまう内容です。

 ただ観戦していると、持ち得るキャパシティは、現時点で140キロ前後は出せそうですし、球に球威は感じます。この経験を糧に、来年の交流戦では力でカープ若手を牛耳って頂きたい。如何せん高卒2年目に入ったばかりの選手。失敗は誰でもありますから、その苦い経験をどう生かすかで、その人の今後は決まってきます。代表に選ばれたことに誇りを持ち、更なる精進を期待してみたいと思います。

(2008年・プロアマ交流戦)



 去年熊本工業で甲子園に出場した大型投手。ほぼサイドに近いスリークォーターで全体的に「もっさり」した印象を受ける。しかし腕が長く柔らかいせいかMAX141km/hの直球と120km/h前後のスライダーを投げ込んでいた。

 三菱三原にとって久しぶりの「即戦力」の投手ではあるが、まだまだ体は出来ておらず、マウンド上ですごく頼りなく見える。球速ほど球の切れもなく、まだまだ体をもてあましている。

 大型投手は時間がかかる。そのことを本人が意識して、どれだけ自分の体をいじめられるか、その辺が今後のポイントになりそう。

(2007年 5月14日 広島人氏)

高校時代は


 
森川 達哉(24歳・JFE西日本)投手
185/94 右/左
(水戸短大附-関西国際大出身)

 
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坂上 雄貴(21歳・MSH医療専門学校)投手
182/84 右/右
(神村学園出身)


 荒削りだが、高校時代から県下屈指の速球派として注目されていた逸材。

 
 
佐藤 允彦(21歳・MSH医療専門学校)投手
180/78 右/右
(神辺出身)

 
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河合 勇志(23歳・ツネイシ)投手
177/78 右/右
(北大津出身)



 
下級生の時から主戦として活躍してきた投手で、2008年度の滋賀を代表する好投手です。中背の体格から、少し肘の下がった典型的なスライダー投手の投げ方をするスリークオーター投手です。甲子園では、私が確認した中では、MAX143キロぐらいですが、配球の多くが、縦・横のスライダー中心に組み立てられております。

 昨夏から比べても、体重は4キロほど増したようなのですが、球威・球速といった意味では大きな成長は感じられませんでした。配球も、かなりスライダーに偏っておりました。ストライクを先行出来る制球力はあるのですが、ストライクゾーンの枠の中での制球力に甘さがあります。また速球をあまり魅せていなかったからかもしれませんが、自慢の縦のスライダーで、もう少し空振りが奪えても好かったかなと思えます。

 この選手は、非常に野球センスに優れた選手。そのため投手としてのマウンド捌きに加えフィールディングや牽制なども、中々上手いものがあります。ただセンスはあるのですが今後の上積みと云った意味では、少々物足りないものがあるのは確かです。

 今後も、その完成度の高さから、大学などで早い時期から登板出来るタイプだと思います。そこで、もうワンランク投手としての総合力が備わって来ると、社会人などの道も開けて来るかもしれません。夏に向けて、もうワンランク上の投球を期待したい選手でした。

(2008年・センバツ)



 2年時から北大津の主戦をはり、滋賀を代表する好投手として活躍してきた投手です。センバツにも出場する投手なので、注目して頂きたい好投手です。

 中背の体格で、それほどスケール感じるような選手ではありません。それでも常時135キロ前後のストレート(MAX137キロ)と、スライダー・フォークなどを織り交ぜ、イニング数を遙かに上回る三振を奪える、球の威力は魅力です。

 元々試合をまとめるセンスがありますが、凄みのある素材ではありません。ただ縦に落差のあるフォームが投げられるのが、三振を奪える大きな要因となっているようです。典型的なスライダー投手の投げ方から球を落として来るので、身体への負担が心配ではありますが、高校生の段階でしっかり縦の変化を使える貴重な投手です。高卒プロに行くようなスケール型ではありませんが、センバツでもその投球が注目されます。

(2007年・夏)



 2年春の時点で、常時135キロ前後の球速を叩き出す投手だが、まだまだ球速程の球質ではないのが残念。ただこの投手、興味深いのは独特の一度浮き上がって沈むナックルカーブのような変化球が極めて有効だ。

 制球力・投球テンポ等まだまだ課題も多いが、速球が140キロ前後出て、この球を投げられるようになると、相当厄介だろう。この球は、上の世界でも充分通用する球種になるのではないのだろうか。まだまだ2年生の春時点、意識次第では面白い存在に成りえるだろう。

(2007年・選抜)


 
鮫島 優樹(25歳・三菱重工広島)投手
178/75 右/左
(神村学園-MSH塩見)


 
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森 唯斗(21歳・三菱自動車倉敷オーシャンズ)投手
173/72 右/右
(海部出身)

 
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岡田 学(21歳・三菱自動車倉敷オーシャンズ)投手
178/72 右/左
(興譲館出身)

 
 キレのあるボールで注目されている若手投手。


南川 忠亮(21歳・JR四国)投手
180/66 右/右
(高松工芸出身)

 
 
 日本選手権の先発を任されるも、結果を残せなかった。その悔しさをバネに飛躍が期待される若手投手。

 
田内 亘(21歳・JR四国)投手
171/63 右/右
(岡豊出身)


 
(どんな選手?)

 小柄ですが、2010年度において、四国NO.1の投手だと思います。秋以来の観戦でしたが、今回はリリーフでの登場でした。

(投球内容)

 球速は、135~140キロ前半ぐらいだと思います。ボールの球威・球速・勢いなどは、秋とそれほど変わっていないように思えます。変化球は、ブレーキの好いカーブに、縦のスライダーといった感じでしたが、改めて好い投手だなと思えてきます。

 秋からの成長は、ほとんど見られなかった鋭い牽制を魅せるようになったこと。元々フィールディングや1.1秒台のクィックもできますし、一段と実戦的になってきました。もちろん投球を組み立てるセンス・経験豊富なマウンド捌きも健在です。

 ただ右打者には、外角にきっちり球を集められる制球力は健在ですが、相変わらず左打者に甘く入る球を痛打される欠点は改善されておりませんでした。その辺を改善して行かないと、レベルがあがるほど左の強打者は増えてゆきますから、上のレベルでは苦労する要因かもしれません。

(今後について)

 あと10センチ上背があったら、ドラフト最上位で消えるぐらいの、投手としてのセンスと力を兼ね備えている選手です。ただ彼レベルになると、全国の強豪大学や社会人などに進んでも、充分に野球を続けて行ける素材でしょう。

 ただ昨秋から目に見えて大きな成長がないだけに、今後は肉体面の大きな上積みは期待できないかもしれません。今後は、より実戦力・総合力を高めて行けるのかにかかっております。そういった地道の努力を続けて行けるのか、投手としても人間としても引き出しを多く持っているかなどが気になるところです。将来的には、更に実戦力に磨きがかかれば、大学や社会人経由でプロ入りできるかもしれません。期待して今後も見守って行きたい選手です。


(2010年・春季四国大会)



(どんな投手?)

 小柄なのですが、早くから高知では話題の投手でした。マウンド捌き、球の威力・制球力・実戦的なフォームと、すべてをバランス良く兼ね備えた逸材です。もし彼に180センチ台の体格があったら、文句なしの最上位候補だと思います。

(投球内容)

 ノーワインドアップから、テンポ良く投げ込んできます。何より腕の振りの良さが、この選手の最大の良さです。球速は、常時135~MAX141キロ。ブレーキの好いカーブと、縦に鋭く切れ込むスライダーのコンビネーション。カーブでカウントと緩急をしっかり稼ぎ、追い込んでからは縦の変化で空振りが取れる投手です。

 フィールディングもまずまずで、クィックも1.1秒台と素早いです。鋭いけん制があまり見られないのが気になりますが、マウンド捌きは経験豊富で、実に洗練されていると思います。そういった投手としての、投球センス・現在の力量共に、非常に高いものがあります。

 その一方で課題と言えば、右打者の外角への制球は抜群な反面、左打者には、時々甘くなる傾向があり、左打者から打たれるケースが多いです。指先の感覚には優れた投手ですが、左打者への投球に課題を残します。

 また投球フォームや、マウンド捌きに、もう少し「間」と言うものを、時々意識しても好いのかなと思います。投球フォームにおいても「着地」「開き」などもそれなりで、「球持ち」なども好いのですが、少しステップが広すぎるのか?「体重移動」が、もう少し前に乗っても好いのかなと思います。今は、上半身の振りの良さで切れを生んでいますが、これに上手くウエートが乗ってくると、グッと来るような球威・球の勢いも加わって来るように思えます。その辺は「着地」のタイミングを遅らせることと連動させると、中々微妙な問題ではあるのですが。

(今後は)

 素材としては、すでに「完成品」に近い形にあります。この一冬の間に、もうワンランク上の投球ができるようになると、いよいよ全国区レベルになろうかと思います。高知の右腕では、岡幸俊(高知商-ヤクルト2位)を彷彿させる小柄な右腕です。岡の方が、体に馬力がありましたが、投手としてのセンス・総合力では、この田内の方に分があるように思えます。

 大学野球レベルならば、中央の大学でも即戦力クラスとして期待できる力量です。更に一冬で伸びているようだと、小柄な高卒右腕とはいえ、岡のように体の底から湧き出るような馬力が出てくると、プロもほっとかないと思います。秋までの時点では、四国でNO.1の投手ではないのでしょうか。


(2009年・秋)


 
菊地 翔太(22歳・JR九州)投手
186/90 右/右 
(一関学院出身)



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福 敬登(21歳・JR九州)投手
178/82 左/左
(神戸西出身)


 球威・球速はないが、非常にまとまったサウスポー。

 
 
宮島 勇ニ(21歳・JR九州)投手
180/76 左/左
(多久出身)

 
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加治屋 蓮(22歳・JR九州)投手
182/72 右/右
(福島出身)

 
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大木 康智(24歳・西部ガス)投手
182/84 右/右
(中津南-福岡大出身)



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荒西 祐大(20歳・HONDA熊本)投手
178/78 右/右
(玉名工出身)


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隈部 智也(24歳・HONDA熊本)投手
179/65 左/左
(熊本工-明治大出身)



 180センチ台の大型のスリークオーター左腕。球速は、常時130~MAX136キロ。ピュッと左腕らしいキレのある球を放る。変化球は、横滑りするスライダー・カーブ・フォークなど多彩。ただ右打者対策として、ぜひシュート系の球を修得したいところだろう。

 少し肘が下がって出てくるので、左打者のアウトコースに逃げて行く球筋は、左打者にとっては厄介だろう。右打者に対しても、両サイド投げ分けられている。ただそれほど甘くない球を痛打されるところ観ると、右打者からは球が見やすい可能性が高い。

 高卒即プロのスケール感はないが、大学・社会人あたりで、更に球速のアップと実戦力に磨きがかかって来ると、数年後楽しみな存在だろう。今後も長い目で見守って行きたい1人であった。

(2007年・選抜)

 
 
平田 真吾(24歳・HONDA熊本)投手
181/72 右/右
(豊北-北九州市立大出身)


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有迫 亮(25歳・三菱重工長崎)投手
178/78 左/左


 

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宇土 宏矢(24歳 三菱重工長崎)投手
182/87 右/右




(どんな選手?)

 島原中央時代から、長崎県下屈指の速球派でした。入社2年目の今年、都市対抗緒戦の先発を任されると言う大役を担った、期待の若手投手です。

(投球内容)

 前に身体が倒れ込んで来るようなフォームから、角度と球威を非常に感じさせる130キロ台後半~MAX142キロの速球は、球速以上の自己主張が出来る球を投げ込んで来ます。

 変化球も、カーブの他に、独特に縦に割れるスライダーと横に曲がるスライダーがあるようで、何か小桧山雅仁(日本石油-ベイスターズ)投手を彷彿させる球を投げ込んで来ます。

 牽制は並レベルですが、クィックは1.05秒前後と素早い。ただ一見、荒れ荒れの投球に見えるのだが、意外に球をコースに集まるなど、適度に球が散るあたりが、独特の変化と相まって、的を絞り難くさせているのかもしれない。

(今後は)

 高卒3年目を迎える来年、ドラフト候補としては名前があがって来る選手でしょう。ただ本当の意味で、どの程度の実戦力があるかは微妙であり、もうワンランク・ツーランクのレベルアップを望みたいところです。そうすれば、上位指名でプロ入りも意識出来る存在かもしれません。現時点では、あくまでも候補になり得ると言うレベルでしかないと思います。今後に期待したい選手でした。

(2009年・都市対抗)

 
 
西 智矢(24歳・三菱重工長崎)投手
172/73 左/左
(多良木出身)

 
140キロ台中盤のストレートで、プロ注目の速球派。

 
三小田 章人(20歳・三菱重工長崎)投手
174/65 左/左
(文徳出身)

 
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小山 元希(24歳・三菱重工長崎)投手
179/75 右/左
(長崎日大-北九州市立大出身)


バランスの取れたフォームから常時135キロ級の球筋の良い速球とカーブ・スライダーを織り交ぜた正当派右腕。テンポもよく、何故彼がエースじゃないんだと思うようなマウンド捌きだった。

 ただ交代してすぐに、打者が苦になく打ち返していたように、タイミングを取りやすい投手なのかもしれない。今後は、土台が良い投手だけに、打ちにくさなど実戦力を養いたい。

(2007年・夏)

 
 
池間 裕也(24歳・沖縄電力)投手
174/67 左/左
(中部商出身)


 高校時代は、強肩・俊足の高い身体能力を活かし、130キロ台中盤~最速で140キロ台を記録するキレのある球が魅力の投手だった。社会人入り後も球威を増した。

 
 
伊波 翔吾(22歳・沖縄電力)投手
173/76 右/左



 
(どんな選手?)

 浦添商で、東浜(沖縄尚学-亜細亜大)のライバルとして、全国的にも知れ渡った選手です。ルーキーの活躍が目立つ今年の都市対抗でも、高卒1年目で投げていた投手は、この選手だけかもしれません。ただこの試合では、改めてこの選手の能力の高さを魅せてくれた反面、甘く入れば痛打されるんだと言う社会人野球の厳しさを見せつけられる登板となってしまいました。

(投球内容)

 上背はないのですが、コンスタントに140キロ台を記録し、MAXで145キロまで記録しておりました。高校時代の彼の能力からすれば当然の数字ですが、やはり高卒一年目の選手と考えると際だちます。

 これに、130キロ前後で曲がりながら落ちるスライダー、カーブ・フォークなども織り交ぜます。フォークの落差なども悪くないのですが、まだまだ信頼出来る程の絶対的な精度ではないようです。

 牽制は鋭く、フィールディングは素晴らしい選手。ただクィックは、1.25秒ぐらいと並レベルでした。マウンド捌き・度胸などはさすがなのですが、やはり高校時代同様に、ピンチになると投球が一辺倒になったり、甘く入る球を痛打されておりました。この辺の投球の幅の無さ・奥行きの浅さを、如何に改善して行けるのかが、今後の大いなる課題であると思います。

(今後は)

 恐らく、縦の変化に磨きをかけることで、存在感を増して行くと思います。同タイプの三嶋(法大)あたりが、破格な球速で化けておりますが、彼のようなパワーピッチを目指すのか、より攻めのバリエーションを増すことで、実戦力を磨いて行くのか注目されるところです。

 今年社会人に進んだ高卒ルーキーでは、トップランクの素材。ぜひ、社会人球界は、この素材を大成させて欲しいところです。今後も、どんな成長を遂げて行くのか、期待して見守り選手でした。

(2009年・都市対抗)

 
金城 賢一(23歳・エナジック)投手
177/75 左/左
(沖縄尚学中退-日本ウェルネス)



 
(どんな選手)

 全く知らなかった投手ですが、JR九州の補強選手として選ばれ、140キロ台中盤の速球を連発する、社会人の隠れた逸材でした。

(投球内容)

 まだストレートは結構暴れるのですが、正統派左腕でコンスタントに140キロ台を記録し、140キロ台中盤ぐらいまでたたき出していました。そのストレートには勢いがあり、素材としては2011年度組でも社会人屈指の左腕ではないのでしょうか。

 変化球は、左腕らしい大きなカーブとのコンビネーション。それに、スライダーなどを織り交ぜるオーソドックスなタイプです。現状は、アバウトに両サイドに散らせつつ、球の威力で抑えるといった感じ。細かい制球力やマウンド捌きはありませんが、ピンチでも動じないハートの持ち主ではあるようです。クィックは、1.20~1.30秒弱ぐらいと、さほど素早くなく、牽制も鋭い牽制は魅せません。まだまだ総合力で未完成な部分もあり、残留したのは妥当だったかもしれません。

(投球フォーム)

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の三塁側(左投手は)への落としは甘くなりがちです。それでも「着地」までに、ある程度前に重心を逃がすことができているので、ある程度の変化球は投げられ、カーブなどを投げることができています。

 グラブはしっかり抱えられていると言うほどではありませんが、最後まで体の近くにあり、両サイドへの制球はソコソコ。ただ足の甲での押し付けは、つま先のみで重心はやや高いです。そのため球は、高めに浮きやすい傾向にあります。テイクバックした時に、肩のラインよりも腕が入り込んだり、腕の振り下ろす角度にも少し無理があり、故障には充分注意して欲しいです。

 投球の4大動作においては、体に捻りを加えて球の出所を隠し「開き」が遅いのは好感。「着地」「体重移動」も悪くありませんが、指先の感覚はイマイチで「球持ち」はあまりよくないタイプかと思います。もっとボールを長く持つ粘っこさが投球に出てくると好いですね。

(最後に)

 まだまだ勢いにかまけたタイプですが、素材としてはピカイチです。本格派左腕らしく細かい制球力はないのですが、「開き」が抑えられている貴重なタイプ。この一年でしっかり実績を作れれば、上位指名で消えても全然不思議ではありません。期待して、この一年を見守ってみたい選手でした。

(2010年 都市対抗)






2013年度 野手候補リスト






 
嶋田 源太郎(24歳・JR北海道)遊撃
180/79 右/左
(銚子商-流通経済大出身)


 
2年生からレギュラーとして出場していた遊撃手。2年秋では主軸打者として活躍し、甲子園に出場したときの遊撃手福田力斗二世と呼ばれた選手。練習試合、東部地区大会で彼を見たが、守備範囲が広く、球際に強い。そして肩も強く、なるほど福田二世と呼ばれるわけだなと思っていた。

 準決勝で彼を見た印象は、たいして変わっていない。守備ではやはり球際に強い。何より去年より安定感が出てきた。守備力では千葉県でもトップクラスの選手だろう。

 打撃は、バットコントロールはある選手なのだが、あともう少し力強さが欲しい。スイングの力強さ、体の力強さと。高卒タイプではないが、福田同様、上のレベルでもやっていける選手だろう。これからの活躍を期待したい。

(2007年 5月6日 千葉県民氏)



 打球に対して1歩目のスタートが早く、球際にも非常に強い。相変わらず抜群のフィールディングで、キャプテンとしてもチームをまとめていた。

 ピッチャーにもほんとよく声をかけているし、チーム全体をよく見ています。野球小僧でも「昨年の名手・福田(現 住金鹿島)のDNAを感じる攻守。送球能力にすぐれ右中間を深く破る打も」と紹介され、良い部分も悪い部分もほんと福田に似ている。良い部分というのは先に挙げた守備面だが、悪い部分というのが打撃面。

 オープンスタンスで構え、構え自体はよいと思うんですが、福田の調子の悪い時同様に、嶋田も調子が悪いと打ちにいくときにヘッドが入り過ぎ、差し込まれて内野フライでアウトになるケースが多い。この試合(3回戦 対志学館)でも第2打席でサードファールフライ。第3打席でもセカンドフライに撃ち取られ結果4打数1安打。しかし2点差を追いかける9回に、先頭バッターとしてライト前へ放ったあたりは見事でした。

(2006年10月 千葉県元球児)




 打球への入り方が上手く、手首が柔軟で華麗なスローイングを披露してくれた。打撃面でも、2年生で銚子商の1番ショートをまかせられているだけあってセンスを感じさせるものがあった。今日の試合ではあまり目立った活躍はなかったものの、オープンスタンスでの構え、腰の座ったスイングなど、これからの活躍ぶりが楽しみです。

(2006年 5月3日更新 千葉県元球児氏)


 
下館 大輔(24歳・JR東日本東北)捕手
172/83 右/左
(一関学院-亜細亜大出身)



 恐らく今年の岩手の野手では、最も全国に知られている逸材、それがこの下館大輔だ。小柄な捕手の割に、フットワークやカバーリングなどの動きはそれほど機敏ではない。また一度グラブを下げてしまう癖があるので、予期できないような球に対しての反応がどうしてもワンテンポ遅れてしまうなど、ディフェンス面には正直不満が残る。

 ただ本質的に、グラブ捌きは下手ではないし、ピンチでの絶妙な間の取り方などには、捕手としてのセンスを感じさせる。また地肩も基準以上の強さもあり、やはり2007年度の岩手では、屈指の捕手だと云えそうだ。

 彼の素晴らしいところは、打撃のレベルが高いこと。特に逆らわずはじき返す流し打ちなど対応力は高い。ディフェンスオンリーの捕手ではなく、打力が備わっているところには好感が持てる。高卒プロと云ったスケール型ではないが、今後も上のレベルでの活躍を期待したい1人だ。この夏、どんなプレーを魅してくれるのか楽しみにしたい。

(2006年・夏)

 
 
伊東 亮大(24歳・日本製紙石巻)一塁
194/90 左/左
(桐光学園-武蔵大出身)

 
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唐谷 良磨(24歳・富士重工)捕手
176/75 右/右
(東亜学園-桐蔭横浜大出身)


 
(どんな選手?)

 打っては、昨春のリーグ戦で首位打者を獲得。守っても、すべてにバランスの取れたリーグを代表する捕手です。「野球小僧」などでも名前が挙がっていたので、チェックを入れてみました。

(ディフェンス面)

 グラブを軽く示した後、ミットを下げないで捕球できる選手です。キャッチング自体しっかりしている選手で、どちらかと言うとフットワークを活かした動くタイプの捕手です。ただ昨秋のリーグ戦では、結構ちょこまかしていたのですが、この春のオープン戦では、それほどそういった捕手には見えませんでした。最大の持ち味は、リード面と言うことですが、結構強気に内角を使い痛打を浴びる場面が昨秋は観られました。しかし春のオープン戦では、かなりオーソドックスなリードをしていたように思えます。

 スローイングに関しては、捕ってから素早く返球できるタイプです。ただ地肩に関しては平均的で、それほど際だつものはありませんでした。どちらかと言うと、身体能力で圧倒すると言うよりは、野球センスで試合を作るタイプ捕手です。

(打撃内容)

 チームでも下位打線を打つように、元々ディフェンスに集中したいタイプなのか、打撃にウエートが置かれている選手ではありません。それでも昨春には、首位打者を獲得。甘い球なら逃さない「鋭さ」がある選手で、けして打力がない選手ではありません。

 打撃フォームは昨秋のものですが、前足を軽く引いて、グリップを高めに添える強打者スタイルです。仕掛けも、「遅めの仕掛け」を採用するなど、長距離・強打者タイプの仕掛けを行います。

 足をあげて、真っ直ぐ踏み込みます。仕掛け~着地までの「間」は短い選手なので、狙い済ました球を逃さず叩くタイプです。インパクトの際に足下がブレるのですが、カカトを地面にめり込ませることで、そのロスを最終現に済ませるタイプです。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのが遅いのが気になります。バットを寝せて出して来るのですが、バットの先端が下がりません。ミート力にそれほど光るものはありませんが、ボールを捉える面積が大きいので、当たればヒットゾーンに落とせる可能性は高そうです。スイングも、フォロースルーまできっちり振り抜くことができるスイングです。

(今後は)

攻守に破綻のない、バランスの取れた選手です。ただ地肩・打力などに凄みがあるわけではないので、素材としてはドラフト候補と言うタイプではないように思えます。ただ今後も、社会人などに進んでも、野球を続けて行ける素材で、今後の活躍も期待できる選手です。ぜひリーグ戦で、じっくりみてみたい選手でした。

(2010年・春季オープン戦)


黒葛原 祥(25歳・日立製作所)内野
168/67 右/左
(横浜-立正大出身)


 

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難波 真史(23歳・日立製作所)内野
172/72 右/左
(中京大中京-法政大出身)


 三拍子バランスの取れたプレーにーパンチ力。

 
 
岡崎 啓介(24歳・日立製作所)二塁・遊撃
173/78 右/右
(PL学園-立教大出身)

 
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中村 将貴(23歳・日立製作所)外野
177/74 左/左
(関西-明治大出身)


 

(どんな選手)

 関西高校時代は、ダース・ローマシュ匡(日本ハム)投手と共に、チームの投手陣を支えました。俊足、強肩・強打の三拍子揃った好選手です。これまで通算でも、打率.289厘とまずまずの成績を残しています。

(打撃内容)

 野手の間を、鋭く抜けてゆくタイプの選手です。一番打者ですが、巧打者と言うよりは強打者タイプ。前の足を軽く引いて、バランスよく構えられています。仕掛けは「遅めの仕掛け」を採用するように、ギリギリまでボールを見定めてから降りだす、生粋の2番打者タイプと言うのが本質なのかもしれません。

 足の引き上げてから降ろすまでの「間」が短いので、打てるポイントは限られます。それだけ狙い球を、逃さず叩く鋭さが求められます。足を引き上げ踏み込んで来る時に、足元がブレません。これにより右にも左にも、しっかり打球を飛ばすことができます。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのも、けして遅くありません。これにより速い球にも立ち遅れませんし、バットの振り出しもいいです。そのためボールを捉えるまでに大きなロスは感じませんし、外角の球でもバットの先端を立てるようにスイングし、フェアゾーンに上手く落とします。目線のブレや開きは悪くないのですが、少し重心が崩れます。あえて型を崩し、膝の柔らかさを活かして低めの球を拾える柔らかさを活かすスタイル。

 仕掛けが遅いだけに、打てるポイントが限られているのが、イマイチ打率が上がって来ない要因だと考えられます。あえて少し始動を早めることで、動作に余裕をもたせることも手段ではないのでしょうか。

(守備・走塁面)

 高校時代から投手をやっていたので、肩は悪くないのでしょう。中堅守備にもソツはありません。塁間のタイムは計測できませんでしたが、今シーズンは10盗塁マーク。大学のリーグ戦で、1シーズンで10盗塁を記録すると言うのは、相当な脚力です。この脚力は、大いなる武器と言えそうです。

(今後は)

 プロと言うほどの絶対的なものはありませんが、足と言う武器があるのは強みです。打撃にもう少し確実性が出てくると、今後が楽しみです。まずは、社会人に進んで力を養い、2年後のプロ入りを、ぜひ目指して欲しい選手でした。

(2011年 春季リーグ戦)

 
堀越 匠(25歳・住友鹿島)左翼
167/66 右/左
(浦和学院-東洋大出身)



東洋大では日本一などを経験したメンバーなのですが、個人的にはチェックを入れたことがありませんでした。ただ春先の関東選抜リーグでも3試合ほど見ましたが、当時からバッティングに光るものがあり気になっていました。都市対抗では、2番・左翼手として出場。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、大体4.15~4.2秒ぐらいで走るなど、快速のイメージはありますが、それほど際立つ脚力はありません。実際に都市対抗予選の3試合でも、盗塁は0個と思ったほど足を活かしません。ただ送りバントやセーフティバントなどの小技をしっかり決めてきます。

 左翼手としては、打球への反応も素早くや落下点への入り方にも余裕を感じます。そういったキャッチングなどには、特に問題は感じません。地肩も平均以上に強く、守備・地肩としては左翼手離れしています。他のチームなら、充分中堅手を担えるのではないのでしょうか。

(打撃内容)

 セーフティバントなどで揺さぶることはありますが、意外にボールを上げてしまう傾向にあります。ただスイングは、見た目と違い非常に鋭い当たりを連発し、ひ弱さは感じません。

 前の足を引いて、カカトを踏み踏みして構えます。グリップを高めに添えて、腰をシッカリ据えて立ちます。ただ全体のバランスや両目で前を見据える姿勢は、平均的でしょうか。

 仕掛けは、投手の重心が下がり始める前に動き出す「早すぎる仕掛け」を採用。投手の投球フォームに、タイミングを狂わされなければ良いのですが・・・。

 足をシッカリ引き上げ、ベース側にインステップして踏み込んできます。これだけでも巧打者ではなく、外角の球を強く叩くことを主眼にした打者なのが伺えます。その足元も、しっかり地面を捉えて離しません。

 打撃のトップを早めに作り、速い球に立ち後れないようにしています。バットの振り出しもよく、バットの先端であるヘッドを下げないで、最後までしっかり振りきってきます。

 足をしっかり引き上げますが、目線のブレは大きくありません。体の開きも我慢できますし、軸足にも粘りを感じます。こと打撃に関しては、技術的にも内容的にも、非常に好いものがあると評価します。

(今後にむけて)

 ルーキーイヤーから、住友鹿島で貴重なバイプレヤーとして活躍。左翼手としての守備と打撃は、合格点を与えられる内容ではないのでしょうか。

 ただこの手のタイプにしては、意外に小技は使えても強打者タイプで、転がしてというプレースタイルではない点。そして足が、思ったほどは速くないところが残念なところ。ただ光るものがある選手なので、今年も密かに注目してみたいと思っています。

(2011年 都市対抗)


 
 
中嶋 辰也(24歳・住金鹿島)二塁
176/74 右/右
(銚子商-立正大出身)

 
 銚子商・立正大で活躍し、2番・二塁手で渋い活躍を見せる。

 
長島 一成(25歳・HONDA)二塁
177/77 右/左 
(青学出身)



(どんな選手?)

 修徳高校から入学してまもなくから、青学ではリーグ戦に出場していた選手です。強肩・強打の三塁手で、神宮に「4番・サード長島」の懐かしいコールが戻ってきておりました。個人的には、その打撃にいつも惹かれるものがあった選手です。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.2秒前後とほぼプロの基準レベルの脚力があります。足を売りにできるほどの絶対的なスピードはありませんが、ソコソコの脚力はある選手です。

 青学時代は強肩でしたが、キャッチング・スローイングがめちゃくちゃで頭を抱えることが多かったです。ただ学年を重ねるにつれて、だいぶ見られるようにはなっておりました。都市対抗予選では控えだったようですが、本戦では3番・二塁手としてスタメン出場。ボールにダイビングキャッチして好捕するファインプレーを魅せておりました。それでも守備固めが出されるように、守備の信頼度は薄いのでしょうが、ボールをなんとか止めてやろうと言う強い意志が感じられます。

(打撃内容)

 けして長距離打者ではないのですが、パンチの効いた打撃が持ち味です。都市対抗・JR四国戦でも、初回の送りバント失敗以降の3打席では、すべてミートポイントでボールを捉えるなど、その打撃の片鱗が垣間見られました。思いっきり振って来る打撃が持ち味ですが、けしてボールを捉えるセンスも悪くありません。特に打球の強さ・鋭さには光るものがある選手です。

 スクエアスタンスで、前足のカカトを浮かしグリップを高めに添えて構えます。自分のリズムを刻めており、リラックスして打席に入ろうと言う意識は感じられます。ただ残念なのは、仕掛けが「遅すぎる仕掛け」を採用するなど、どうしても立ち遅れるケースが目立つ点です。そのため打てる球は、かなり限られているのではないのでしょうか。

 足を少しだけ浮かしベース側にインステップ。しっかり踏み込んだ足元はブレないので、狙い澄ました球は、打ち損じなく見事な打球で捉えることができます。あらかじめトップの位置にグリップを添えているのですが、そこからバットを振り出すのが少し遅いのが残念です。バットを寝せながらヘッドがさがらないで振りきれており、スイング軌道にロスは感じません。スイングも鋭く強いですし、軸も大きく崩れることはありません。立ち後れないことを意識した余裕のあるスタイルが確立できれば、もっと打撃の幅が広がりそうです。

(今後は)

 打撃には光るものがある選手です。ベース側に一度ステップしてから始動する無駄の動作をやめるか、始動全体をもっと早めることが一つポイントになりそうです。それに伴い、いろいろな動作に少し余裕がもてそうです。

 ただ守備などとの総合力との兼ね合いもあり、よほど打撃での成長がないと、ドラフト候補となれるかまでは微妙です。一冬超えてどのような成長を遂げるのか注目したいです。個人的には大学時代から期待している選手なので、なんとか素質を開花させて欲しいです。

(2010年・都市対抗)


 
 
真砂 将広(24歳・HONDA)捕手
176/76 右/右
(高崎商-東北福祉大出身)


 
(どんな選手?)

 高崎商時代から、強肩・強打の捕手として群馬では名の知れた選手でした。今春のリーグ戦では、0本塁打 3打点 打率.290厘の成績でしたが、鋭い打球を飛ばしておりました。

(ディフェンス面)

 福祉大の選手にしては、結構荒っぽいプレーをする選手です。ミットを示したあと、一度グラブを地面に付ける癖があります。そのためミットを戻すのが捕球の寸前なので、際どいコースでも審判からストライクカウントを導き難かったり、ワンバウンド処理でもワンテンポ遅れる傾向が見らます。ボールを押しこめるキャッチング・打球への反応の良さ・フットワークの身軽さなどがあるだけに、少し残念に思えます。スローイングは、1.85秒前後とかなりの強肩なのですが、力任せのスローイングで、制球が不安定なのが気になりました。これまできっちりした捕手を育成するイメージが強かった福祉大にしては、資質は高くてもプレーが荒っぽく、少し残念に思います。

(打撃内容)

 バットを前にブランブランさせてから構える独特のスタイル。仕掛けは「遅めの仕掛け」を採用するように、ボールをよ~く引きつけてから叩くスタイルで、元来長距離打者が多く採用する仕掛け。

 軽く足を上げて、真っ直ぐ踏み込みます。その足元がブレないので、狙い球を逃さず叩く打撃を可能にします。あらかじめトップの位置にグリップを持ってきており、そこから降りだすので速い球に振り遅れる心配はありません。少し遠回りにバットが出てくるのですが、ドアスイングにならないように、バットの先端を下げないでスイングすることを心がけます。また打つポイントが遅いので、右方向にも強い打球が打てます。対応力は高くはありませんが、体のパワーと仕掛けの遅さからも、ツボにハマれば長打を期待できるパンチ力がありそうです。

(今後は)

 強肩で、打力もけしてないわけではありません。そういった意味では、社会人でも捕手として野球を続けて行くことになりそうです。ただディフェンス面には、少し雑と言うか粗い部分があり、その辺が気になります。もう少し繊細なプレーにも、これからは心がけたいところ。また打撃でも、パンチ力は秘めていそうですが、もう少し対応力も高めたいですね。上のレベルで、どんなプレーを魅せてくれるのか注目して行きたいと思います。

(2011年 大学選手権)

 
今村 恒太(24歳・日本通運)外野
183/85 右/左
金沢桜丘-法政大出身)


 
恵まれた体格から鋭い当たりを放つ来年楽しみな強打者、それが今村恒之である。時には投手としてマウンドに上がることもあると言うセンスと身体能力を兼ね備えている。

(守備・走塁面)

 今回の観戦では、中堅手としての守備力・地肩の強さはあまりわからなかった。ただ投手もやることがあると言うから、地肩も悪くないのだろう。ただ一番を務めるので足は遅くないのだろうが、新チーム結成後8試合で4盗塁と極端に多い数字ではない。一塁までの塁間は、4.35秒前後と言うことで、計測した時がたまたまなのかわからないが、図抜けて足が速いようには思えなかった。

(打撃スタイル)

<対応> 2~4球目あたりにスイングを仕掛けて来ることからも、比較的ボールを観るタイプ

<狙い球> 比較的真ん中~内角の球、それも変化球を打ちに来ることが多い

<打球> センター中心に右にも左にも打ち返す

幅広い打撃が出来る選手で、鋭いヘッドスピードから球足速く野手の間を抜けて行くタイプだと
言えよう。

(打撃フォーム)

<構え> 
☆☆

もう少し威圧感を感じさせる構えを

 両足を揃えたスクエアスタンスで、前足のつま先を立って構える。グリップは下げ気味で、バット長く握っている。腰の据わり・全体のバランスはもう一つで、前の見据え方も並程度。もう少し背筋を伸ばし、しっかり球を見据えたい。カカトを微妙に揺らいでいるが、せっかく体格に恵まれているのだから、もっと堂々と威圧感のある構えを意識したい。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 投手の引き上げられた足が沈みきって重心が前に移動する段階で始動する「遅めの仕掛け」を採用している。これは狙い球を絞って叩く、典型的な強打者タイプの選手が採用するスタイルで、彼の今のスタイルに合致しているかは微妙だろう。しかし今後破壊力を重視した打者を目指すのならば、それほど問題ではない。とにかくなんでも狙い打つというよりは、打席に入る時に狙い球を絞るタイプの打者に適した仕掛けだろう。

<足の運び> 
☆☆☆☆

バランスを保ちつつ、しっかりインステップ

 投手の重心が沈む時に、カカトを一踏みして「シンクロ」でタイミングの一致を図っている。足を軽く引き上げ少しベース側にインステップして踏み込んで来る。踏み込み自体は強くないが、インパクトの際に足元がブレることなくバランス好くスイング出来ている。

 この姿勢だと外の球をしっかり叩く姿勢が出来ているのだが、実際は真ん中~内角の球を打ちに行くケースが目立つ。少々内角よりの球は窮屈になるはずなのだが・・・。もしそういった球を狙い打っているとするならば、ステップを真っ直ぐ踏み出すぐらいに戻しても好いかもしれない。

<リストワーク> 
☆☆☆

余裕のあるトップの形成を

 トップがあまり上手に作れていない。もう少し早めにしっかりとトップが作れると打撃の幅も広がるだろう。グリップは奥に入らず、ヘッドの出もスムーズに振り出せている。スイングの弧の大きさ・フォローなどの形を観ると、ボールを遠くに運ぶタイプではなく、鋭く振り抜くタイプだと言うのを実感する。二塁打・三塁打は多いタイプかもしれないが、オーバーフェンスタイプではないのだろう。

<軸> 
☆☆☆ 頭の動きが小さくなれば尚よい。

 多少自分からボールを追ってしまうところはあるので、目線がブレることがある。ただ身体の開きも我慢出来、軸足も安定するなど体軸も中々のものがある。

(最後に)

 ヘッドスピードが鋭いこと、大型の割に打撃技術がしっかりしている点は非常に評価出来る。あとは守備・走力含めて三拍子の総合力を高めて行くと、来年度は北信越地区を代表する打者としてプロからもマークされる存在になるかもしれない。好いものを持っているので、それに奢ることなく精進を続けて行ければ、将来楽しみな存在に成り得るだろう。

(2006年 4月4日更新)

 
木村 直貴(25歳・JFE東日本)三塁
174/76 右/右
(筑陽学園出身)


 
 高校時代は、身体は大きくないが強肩に俊足。高校通算40本塁打以上の豪快な打撃をするパンチ力。福岡を代表するスラッガー。守っても強肩を活かして、チームを引っ張る。

 
生多 良介(24歳・JFE東日本)二塁
170/68 右/左
(智弁学園-東北福祉大出身)

 
この選手は、ニ遊間に一番必要な、プレーにスピード感があるのが素晴らしい。特に広い守備範囲を誇って、難しい球でも難なくアウトにしてしまうボール捌きは、プロでも売りにできるレベル。ただ日米野球の代表にも選抜されたほどのこの選手が、何故ドラフトで指名されなかったのか考えてみたい。

(守備・走塁面)

 最初の一歩目のスタートに迷いなく、動きながら捕球してもスローイングが狂わないプレーは一見の価値あり。小回りや踏ん張りなども利き、どのレベルの野球に混ぜても、二塁守備なら、即通用するだろう。

 一塁までの塁間は、大体3.9~4.1秒ぐらいで到達。セーフティバントなどの最初から走りだしている時は、3.7秒台で走り抜けられる。一応ここでは、4.0秒で到達すると想定。今年プロに入った左打者のタイムから、この4.0秒のタイムを偏差値に直すと、走塁偏差値は 54 ぐらい。 まぁ走力に関しては、プロレベルだと中の上ぐらいだと考えてもらって好いだろう。

 守備はプロでも売りにできるレベル、走力は売りにできるのは微妙だが、プロでも俊足レベルなのは間違いない。

(打撃内容)

 早めに始動して、コツンコツン当てて来る巧打者・揺さぶり型のイヤラシいタイプ。広角に打ち分け当てるのが上手い反面、プロを想定するとスイングがひ弱いのが気になるところ。

 何故打球が、弱々しく感じられるのか?それは、あらかじめグリップをトップの位置に引いており、無駄を削ぎ落とす打撃に終始しているから。打球に勢いを与えるためには、弓矢の弓を強く引くが如く、トップ(バットを降りだす位置)を深く、しっかり取ってから振り出す必要がある。しかし彼の場合は、その弓をあまり引かないまま当てに行くので、ボールをはじき返す打球が弱々しくなる。

 しかしそれ以外の部分では、下半身の使い方もアベレージ打者らしく、幅のある動作と下半身の安定が見られる。上半身もスイング軌道に無駄がなく、バットを上から被せるようにヘッドを立てながらスイングできている。ボールを強くはじき返すということ以外には、大きな欠点は見当たらない。

 それゆえ多少動作は忙しいかなという印象はあるが、当てるの自体は上手い。その辺は、国際試合でも.294厘の数字を残しており、ある程度対応できていることからも伺える。

(最後に)

 まあプロとなると、170センチソコソコの上背に、体つきも頑強とはいえないタイプ。そういった意味では、体力・強さの部分での不安がスカウトとしては拭えなかったのではないのだろうか。

 そしてあえてここで無理せずに、社会人での活躍を見極めてからでも、プロ入りは遅くはないのかなといったこと判断が、最終的になされたのではないのだろうか。今後は、打撃に「強さ」「鋭さ」が出てくるようだと、指名の可能性も高まるかなと。2年後のドラフト目指して、成長した姿を魅せられれば、今度こそ指名されるのじゃないのだろうか。それだけ彼の場合、プロへの距離は近いところにあると言えよう。

(2011年 神宮大会)

 
トマセン・ダニエル(24歳・JFE東日本)外野
182/90 右/右
神戸弘陵-(東農大生産学部出身)


 
(どんな選手?)

 高校時代から、兵庫ではパワフルな打撃をする選手として評判でした。ただ私自身も観たことがありますが、当たれば強烈ですが脆い印象は否めませんでした。昨年の神宮大会でも(唯一TV中継のなかった試合です)生で見ましたが、その印象は変わらず。今春のリーグ戦で、0本 6打点 打率.359厘で首位打者に輝いたと聞いて驚きました。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を4.55秒強ぐらい(左打者換算で4.25秒強に相当)と、プロの基準よるは劣りますが、極端に遅いわけではないようです。ただ足を売りにするプレースタイルではないので、盗塁などは期待できません。

 肩も全く弱いと言うことはないですが、守備の動きはどうしても緩慢で、動作の切り替えも素早くなく、上のレベルでは左翼でもどうかな?といった感じです。一塁手としての適性があれば、そちらの方が良いかもしれません。

 まあ守備・走力は期待せずに、打撃オンリーで評価すべき選手かと思います。

(打撃内容)

 大学選手権緒戦の横浜商科大戦では、内角の高めの球を上手く肘をたたんでレフトスタンドに叩き込みました。ただ本質的には、スラッガーではなく打球がそれほど上に上がるタイプではありません。あくまでも強烈な打球が野手の間を抜けて行くタイプの強打者です。よほど内角の球を巻き込まない限りは、打球は上がらないと思います。このことは、リーグ戦の本塁打0本からも伺うことができます。

ただ脆さが一時より解消できたのは、引っ張り専門だった打撃が、右方向にも強い打球を飛ばせるようになった点です。これにより、随分と率が稼げるようになってきました。

(打撃フォーム)

 スクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。ただ構え全体が、あまりバランスが取れていなく、理に適っていないのは気になりました。仕掛けは「平均的な仕掛け」を採用するように、本質は中距離・ポイントゲッタータイプと言うことでしょう。体に力があるので、上手く巻き込めればスタンドインも期待できます。

 足を軽く回しこむ「間」が作れているので、結構いろいろなタイミングでボールを捉える幅はあります。ベースから離れたアウトステップを採用しており、懐を開けて真ん中~内角よりの球を引っ張り込む打撃が得意です。ある程度右方向への打撃を可能にしているのは、踏み込んだ足元がブレないこと。これにより外角でも高めの球ならば右方向への打撃も期待できます。

 ただ残念なのは、トップを作るのが遅れがちで一定レベルの球速・キレのある球に対してはどうなのかな?と言う不安が残ります。またスイングも体から離れて大きく外回りしますし、腰の開きが早いフォーム。外格低めにスライダーを投げていたら、まず打てないなと思えるフォームです。そのコースへの微妙な見極めや対処の仕方などは、ぜひ見てみたかった気が致します。ただ少なくても2戦目の慶応大戦では、徹底的な外角攻めに合い、結果を残すことはできませんでした。

(今後は)

 日本育ちの選手なので、外国人枠が必要ないのは魅力です。ただスラッガーだと思って獲得したら、意外に小器用で打球が上がらないと言う、イメージと違う成長曲線を描くかもしれません。昨秋までは、確かにパワーはあるものの、スイングが鈍くキレに欠けどうかな?と言う印象がありました。ただそのへんは、かなり最終学年になり、ヘッドスピードにキレが出てきた感じは致します。日本人にはない体の力があるので、育成枠あたりで指名する球団は現れるかもしれません。個人的には厳しいかなと思いますが、個性を評価する育成枠でなら、ありなのかなとも思えます。

(2011年 大学選手権)


 
清水 隆弘(24歳・かずさマジック)捕手
178/80 右/右
(酒田南-国学院大出身)

 
 抜群の捕手センスとリーダーシップでチームを引っ張る。大学時代には、リーグベストナインに。

 
石岡 諒太(21歳・JR東日本)一塁
187/84 左/左
(神戸国際大附出身)

 
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重谷 祐弥(23歳・JR東日本)内野
176/73 右/左
(千葉経済大附出身)


高卒三年目ながら、頭角を現してきた期待の若手野手。

 
 
田中 広輔(24歳・JR東日本)遊撃
171/80 右/左
(東海大相模-東海大出身)


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畑中 翔(24歳・JR東日本)捕手
177/77 右/左
(日南学園出身-横浜商科大出身)



(どんな選手?)

 日米野球の選考会にも選ばれたことがある、神奈川リーグを代表する捕手です。強肩・強打の捕手として、その将来性を嘱望されている選手。

(ディフェンス面)

 ミットをしっかり投手に示し、的を絞りやすく配慮する選手です。グラブを一度下げてしまう癖はあるのですが、低めの球に対しても両手でしっかり捕球しようとしたり、身体で止めに行こうとする姿勢には好感。軽く返球するあたりも、投手のことを常に配慮することのできるタイプの捕手かと思います。キャッチングでのボールの押し込みも悪くないですし、スローイングも塁間1.85~1.95秒ぐらいでまとめられ、地肩・スローイング共にドラフト候補としても中の上レベルはありそうです。あとは、その精度含めて今後は注目して行きたいと思います。

(打撃内容)

 パンチの効いた打撃が、日南学園時代から注目されてきました。前足を引いてカカトを浮かして構えます。グリップの高さは平均的で、バットを立てて添えます。腰の据わり・全体のバランスは並ですが、両目でしっかり前を見据えられているのは良いです。

 仕掛けは「遅すぎる仕掛け」を採用するなど、一定レベル以上の球速・キレには立ち後れそう。足を少しだけ上げてベース側にインステップ。左打者ですが、外の球を強く叩くことを主眼にしており、右投手のクロスに食い込んで来る球筋への対応が課題になります。それでも踏み込んだ足下はブレず、スイングできている点は好感が持てます。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのが遅れ気味で、速いボールに立ち後れやすい。またバットも少し遠回りに出てくるので、ボールを捉える対応力に課題。それでもスイングの弧は大きく、バットをしっかり最後まで振り切って来るので、捉えた打球は強烈な特徴があります。

(今後は)

 捕手としてはソコソコも、打者としては上のレベルを意識するには、まだ物足りません。神奈川リーグを代表する捕手として期待したい部分もあるのですが、昨秋までのプレーを見る限り社会人タイプかなと思います。そのイメージを払拭してくれるような活躍を、今年は期待してみたいと思います。

(2010年 秋)



 捕ってから極めて素早いスローイングは、高校球界でもトップ級ではなかったのだろうか。二塁までの到達タイムも、1.8秒台後半~1.9秒台前半と極めて速い。またキャッチング自体はそれほど目立たないが、ワンバウンド処理などは上手くディフェンス面では見るべきものがある選手だ。

 打撃はスイング自体は強烈だが、バットが下から出るなど粗い部分がある。今後は、打撃の精度を上げて実績を重ねて行ければ、将来楽しみな存在ではないのだろうか。

(2007年・夏)

 
 
岡田 朋也(25歳・鷺宮製作所)捕手
183/85 右/左
(新宮-拓殖大出身)

 
 抜群の強肩と捕手センス。

 
岡澤 一生(25歳・東京ガス)二塁
173/68 右/左
 (近大出身)



(どんな選手?)

 近大時代から、快足・好守の巧打者として知られていた選手で、都市対抗でもルーキーながら、2番・二塁手として出場しておりました。

(守備・走塁面)

 非常に柔らかいグラブ捌きが特徴で、広い守備範囲も誇ります。ボールの扱いも丁寧ですし地肩も強く、守備に関しては、プロ級だと思います。

 今回の観戦では走力は計測できませんでしたが、塁間を3.8秒台で走り抜けられる快足レベルの脚力があります。ただ大学時代は、思ったほど盗塁を決めておらず、脚力の割に盗塁センスに欠けるタイプなのかもしれません。ちなみに都市対抗予選の4試合では、盗塁は1個でした。

 ただ守備は、プロ級ですし、走力のポテンシャルは高い選手。ことこの部分だけでも、来年の候補としてマークできる選手です。

(打撃内容)

 俊足・巧打型の選手で、当てるのは上手いのですが、非力なのが気になります。その点は、今回の観戦でも充分に改善できているとは言えませんでした。

 前足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランスは並程度ですが、前を見据える姿勢は悪くありません。ただ自分のリズムを刻めていないので、少し打撃が受け身な印象を受けます。

 仕掛けは「平均的な仕掛け」を採用するなど、中距離タイプの打者が多く採用するスタイル。彼のようなアベレージタイプならば、幾分始動を早めても好いような気が致します。

 足を引き上げ回しこむなど、着地までの「間」を取ることで、幅広いポイントでボールを捉えられます。踏み込みも、ほぼ真っ直ぐで内角でも外角の球でも捌きたいと言う意志が感じられます。足下もブレませんし、技術的に大きな問題はありません。

 ただ打撃の準備段階である「トップ」に関しては、バットを引くのが遅れております。この辺が、差し込まれる最大の要因ではないのでしょうか?ボールを捉えるまでのスイングに問題はありませんが、打撃スタイルの割に、大きなスイングの弧をしております。シャープには振り抜けておりますが、もっとコンパクトで鋭いスイングを心がけても好いかなと思います。

 頭の動きも小さく、開きも我慢でき、軸足も安定しております。安定した成績は望めるタイプなので、大きな問題は少ないないと思われます。ただ都市対抗予選では、打率.231厘。やはり数字の上では、まだまだ物足りません。

(今後は)

 課題は、明白です。走塁に関しては、盗塁にこだわること。打撃に関しては、トップまでいち早くバットを引き、立ち後れないでスイングすることだと思います。この二つにこだわれば、非力さの解消や足でのアピールができ、プロのスカウトへのアピールも期待できます。解禁となる来年は、ドラフト候補としてマークしたいと思います。

(2010年・都市対抗)


 
 
山内 佑規(25歳・東京ガス)捕手
172/79 右/右
(桐蔭学園-明治大出身)

 
 社会人1年目からレギュラーを獲得した好捕手。

 
遠藤 一星(25歳・東京ガス)遊撃
180/75 右/左
(駒場学園-中央大出身)

 
 俊足・好守の大型遊撃手として、大学時代から定評。

 
矢島 健吾(25歳・NTT東日本)内野
181/78 右/左
(帝京-仙台大出身)

 
 俊足・強打の身体能力が光る。

 
ファニョニ・アラン(22歳・NTT東日本)内野
196/100 右/左
(羽黒出身)

 
 大型の外人打者で、パワフルな打撃が目立つ選手です。旧チームから3番を担うなど、甘い球を逃さない強打が自慢の選手です。新チームでも打線の核になる存在だと思われます。

 走塁に関しては、はっきりとしたものは計測出来なかったものの、その動きを見ていると、正直動ける選手には見えません。左翼の守備も、守備範囲は狭く、将来的には一塁オンリーのタイプかと思われます。守備・走塁面でのアピール低く、打撃で勝負といったタイプなのだと思います。

 左のオープンスタンスで、懐の深さが目立ちます。ただ少し腰を引きすぎているかなと言うバランスの悪さと、構えた時に自分のリズムを刻めないので、どうしても脆い印象は否めません。

 仕掛けも、遅めに始動しつつ一度ベース側に足を持って行き、本格的な始動は、投手がリリースを迎えるあたりです。日本人にはないヘッドスピードや強靱なパワーを誇る欧米人ですから、このタイミングでの始動でも、けして打てないとは言いません。ただ速い球に差し込まれやすい傾向は否めないです。

 小さくステップして、ベースと反対方向に踏み出すアウトステップを採用しております。踏み込んだ足下は、なんとかブレず我慢出来ております。足を上げて降ろすまでの「間」が殆どないタイプなので、打てるポイントは極限られております。そのためボールの絞り込みと甘い球を逃さない「鋭さ」が求められます。

 トップを非常に深くとって、打球に勢いを与えようとするのはわかります。ただグリップが奥に入りすぎていて、けしてヘッドの出がスムーズではありません。また打撃の準備段階であるトップ(バットを振り出す位置)を作るのが遅れ気味です。バットも素直にバットが出る、真ん中~外角高めのコースの球に対しては良いですが、肘を下げて押し出すようなスイング軌道であり、打てる球は限られているかなと思われます。

 それでもバットの先端を下げないで、大きなスイングの弧を描きます。ただフォロースルーの段階でグリップは引き上がってこないので、ボールを運ぶと言うよりは、強烈な打球で野手の間を抜けて行くタイプの強打者だと考えられます。

 頭の動きはボールを呼び込むまで多少動き、目線がブレます。また身体の開きが我慢出来ており、軸足にも非常に強さを感じられるので、強い打球は期待出来そうです。

 2009年度の山形を代表する強打者になると思います。またその存在感・強打で、上のレベルでの野球も見えて来ると思います。ただ守備・走力との総合力は高くないので、よほど打力でアピールしないと、更に上のレベルでの野球は、キビシイかもしれません。今後の更なる成長を期待したいです。

(2008年・夏)

 
越前 一樹25歳・NTT東日本)外野
180/78 右/右
(横浜-立正大出身)

 
(どんな選手?)

 横浜高校時代から、強打者としての片鱗をみせていた選手でした。ただどうしても脆い部分があり、この秋も打率.196厘と、それを解消できておりません。一応来年の候補として名前もあがっているようなので、久々にチェックを入れてみました。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.4~4.6秒ぐらいと、左打者換算すると4.1秒~4.3秒ぐらいで、基準レベル前後の脚力はあるようです。しかし秋のシーズンも盗塁0個と、実際には足を売りにして行くようなタイプではないようです。

 右翼手としての動きは、可もなく不可もなくといった感じで破綻はありません。地肩も中の上レベルぐらいと、まずまずのものがあります。守備に関しては、際立つものはありませんが、足を引っ張ると言うことはなさそうです。上のレベルなら左翼あたりならば、問題がなさそうなレベルです。

(打撃内容)

 打撃は、脆い反面、もっと荒々しいタイプなのかと思いましたが、意外にそうでもありませんでした。スクエアスタンスで、グリップを下げてリラックスして構えられております。ただ仕掛けが、投手の重心が上がりきったあたりで始動する「早すぎる仕掛け」を採用。これだと、投球フォームによってタイミングを狂わされる恐れがあります。

 早めに引き上げた足は、真っ直ぐ踏み込むのですが、インパクトの際に足元がブレてしまいます。打てるポイントは少なくないはずですが、打ち損じの多いタイプかと思います。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのは遅くないのですが、バットの振り出しが悪くインパクトまでに、ロスのあるスイング軌道をたどります。ただインパクト後は、無理にヘッドが下がらないように心がけているので、スイングが横切りになり、縦の変化に脆そうな印象を受けます。スイングの弧は、意外に小さくコンパクト。強打者としてのイメージとは、現状違うイメージのスイングです。そのため現状、ヘッドスピード・打球共に、それほど光るものはありません。

(今後は)

 2010年度の、大学球界期待の大型野手ですが、現状は高校時代から殻を破れていないように思えます。守備・走力共に平均的で、打撃も脆い。何か売りになるものを作って行かないと、更に上のレベルと言うのも見えてこないかもしれません。最終学年で、その潜在能力を開花させることはできるのでしょうか?

(2009年・神宮大会)



 秋には4番にも座っていた選手で、選抜では7番・左翼手として出場。正直リストに掲載してある選手だから、チェックでも入れてみようかなと思った選手なのだが、実は中々興味深い選手であることがわかってきた。下位打線には座っているが、強打者しての才能に恵まれた将来性豊な大型野手である。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、4.6秒前後。これを左打者に換算すれば、4.3秒前後と言うことで、プロの基準である4.2秒には劣るが、高校レベルならば平均レベルぐらいはある選手だろう。左翼手としての動きも破綻のない印象で、地肩等はよくわからなかったが、走・守に破綻のないレベルの選手だ。

(打撃スタイル)

<対応> 初球~3球目ぐらいでスイングを仕掛けて来る平均的な打者。

<狙い球> 速球でも変化球でも打ちに来る。真ん中~外よりの球を好む傾向があるようだ。

<打球> 二遊間・三遊間あたりに打球が飛んでいるなど、右に左にはじき返すことができる。

 こうやってみると、一見特徴がなさそうに感じられるが、実は秋の大会では、福田に次ぐ本塁打4本・打点20をあげるなど、チームでは福田と共に屈指の強打者であることがわかる。その辺のことがもっとわかるのが、打撃のフォームを分析すると浮き彫りになる。

(打撃フォーム)

<構え> ☆☆☆☆


強打者としての余裕のある構えが好い

 スクエアスタンスで足を揃え、グリップの高さは平均的。腰の据わり・全体のバランス・前の見据え方なども好く、特に懐に余裕があって強打者としての雰囲気が漂って来る。打席での構えや雰囲気は、同校の中でも一番ではないのか。

<仕掛け> 遅めの仕掛け~遅すぎる仕掛け

 福田と同様に、投手の重心が沈みきって前に重心が移動する段階~リリース直前あたりで始動する「遅めの仕掛け」~「遅すぎる仕掛け」の中間ぐらいのタイミングで始動している。少々始動が遅い分が、一定レベル以上の球威・球速のある速球に対応仕切れなかったり、変化球を打ち損じる原因となりやすく、対応力を低下させているのだろう。元来中軸を担うだけのものはあるのだろうが、確実性が低いのではないのだろうか。

<足の運び> 
☆☆

上半身と下半身のバランスの好いスイングを

 始動が遅いので、足をほんの少し浮かす程度で真っ直ぐから少しインステップ気味に踏み出して来る。真っ直ぐからインステップに踏み出すと言うことは、真ん中から外側意識して打撃している可能性が高い。踏み込み自体は弱くないのだが、ステップが狭いのか、少々インパクトの際に足元がブレてしまう傾向にある。足元がブレてしまうと身体の開きが早くなったり、パワーロスが生じたりしやすい。特に外の球に意識がいっている打者なので、カベを重視する意味でも、足元の盤石さを大事にしたい。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

ロングヒッターの才能が

 トップは、それなりに深く取れている。少しグリップが奥に入り気味だが、悲観するほどではない。上からボールを叩く意識があり、インパクトまでのスイング軌道は中々ものだ。インパクトの際の押し込みもしっかりしているし、フォロースルーも大きく、最後は高い位置までグリップが引き上がっている。スイングの形だけみれば、福田以上にロングヒッターの資質を秘めている。

<軸> 
☆☆☆☆ 体軸の安定感は中々

 頭はそれなりで、少し真っ直ぐからインステップ気味に踏み込んで来るので、身体の開きは遅い。軸足もしっかり安定しているのだが、少々内角の捌きは厳しいタイプかもしれない。

(最後に)

 幾分始動が遅いことと、下半身の不安定さが、粗さにつながっているのだろう。守備・走力でのアピールポイントに欠けるところは残念だが、長距離打者としての資質の高さは、横浜打線の中でもピカイチだろう。しっかり足元を見つめて精進して行けば、将来はロングヒッターとしての才能が開花するかもしれない。後は少しでもバットを振り込み、強さ・鋭さを磨いて行って欲しい将来楽しみな選手だ。
 


(2006年 4月12日更新)


 
木内 佑季(24歳・明治安田生命)遊撃
173/68 右/左
(銚子商-東日本国際大出身)

 
 大学時代から俊足・巧打の選手として、地方の逸材として注目されていた。

 
吉田 潤(24歳・東芝)内野
180/81 右/左
(岡山理大附出身)

 
個別寸評へ



 中国地区を代表する大型内野手として、プロからも注目されていた選手です。この選手の良さは、臭い球は振らず、打てる球だけを絞り込む、選球眼の良さです。顔つきにも精悍さが出てきて、いわゆる「鋭さ」を持った打席での集中力には見るべきものがあります。

 ただ打席では、全く自分のリズムを刻むような「揺らぎ」が見られないため、何処か脆い部分は否めませんし、もう少しプロを意識するのであれば、ヘッドスピードに抜けたものが欲しいのは確かです。大型で身体能力もソコソコあるので、ドラフト候補として注目されたのはわかる気が致します。

 更に大学・社会人などで活躍するための、スイング・守備・走力などを磨いて欲しいと思います。野球への意識は高そうな選手なので、将来は大き伸びることを期待して見守りたい1人でした。

(2007年・夏)


 
井領 雅貴(24歳・JX-ENEOS)外野
174/75 右/左
(桐蔭学園出身)



今年の神奈川球界を代表する外野手。ボールを上から引っぱたく強打が自慢。鋭いヘッドスピードを活かした中距離タイプ。

 一塁までの塁間は、4.25秒と並レベル。むしろ問題なのは、打球への反応・キャッチングレベルなど、意外にこの手のタイプにしては、外野守備の安定感は課題。肩・走力は基準レベルも、驚く程のものはない。

 神奈川の外野手としては、政野 寛明(桐光学園)と並ぶ存在。1年生から注目されるそのセンスを、最終学年では如何に爆発出来るのか期待して見守りたい。



この試合では3打数3安打、うち本塁打・二塁打各1本、更に犠打1つ、5打点と大活躍でした。チームでは2番打者を務めていますが、パンチ力もあり、僕のイチオシの選手ですので、詳しく書きたいと思います。

<打撃面>

スイングが鋭く、ミートセンスの良いアベレージヒッタータイプの打者です。本塁打もライナー性のもので、「ヒットの延長としてのホームラン」でした。バントなどの小技もでき、打撃に関しては、既にかなり高いレベルに達していると言えます。

<守備・走塁面>

 守備では右翼手を務めますが、破綻がなく、肩も良いので、守備に関しても及第点をあげられると思います。
走塁では、足はまあまあ速いのですが、もっと貪欲に次の塁を狙う積極性が欲しいな、と思います。しかし走塁面でもある程度のレベルに達していると言えると思います。

<最後に>

走・攻・守三拍子そろった好選手で、こと打撃に関しては1年生ながらかなり高い技術を持っています。精神面でも問題なさそうなので、順調に育って神奈川を代表する打者になってほしいと思います。


 
 
田畑 秀也(22歳・
JX-ENEOS)外野
180/70 右/左
(桐蔭学園出身)


 
 俊足・巧打の好選手、プロからも注目。

 
渡辺 喜美男(25歳・JX-ENEOS)内野
164/65 右/左

 
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五十嵐 大典(25歳・三菱重工横浜)左翼
172/72 右/左
(新潟明訓-立教大出身)


 
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村山 正誠(25歳・三菱重工横浜)内野
181/70 右/左
(常葉菊川出身)


 高校時代は、チ-ムでは別格の存在。チャンスでの無類の強さに圧倒的な打撃で4番を務める。

 
 
川辺 健司(24歳・ヤマハ)捕手
179/78 右/右
(日大藤沢-明治大出身)

 
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長谷川 雄一(25歳・ヤマハ)三塁
177/80 右/右
(済美-近畿大出身)



(どんな選手?)

 最終学年になるまで、個人的には気にしたことのない選手でした。しかし世界大学選手権の選考会では、鋭いヒットを連発。その勢いで、代表に選出。更にスタメンで試合に出場していたほどの選手です。春季リーグ戦では、打率.326厘 0本 6打点 ながら、自身初のベストナインに選出されました。

(守備・走塁面)

 残念ながら私の観戦した試合では、正確な一塁までのラップは計測できず。それでも相手の隙を突いて、いっきにセカンドをおとしめたり、春のリーグ戦で3盗塁を決めるなど、全く動けない選手ではありません。

 左翼手としても、それほど下手な選手には見えず。地肩も代表合宿を観る限り、それほど弱かった記憶はございません。この辺は、秋のリーグ戦で再度観られる可能性もあるので、じっくり観てこられたらと思います。

 ただ守備・走力をプロで売りにするほどのレベルではないと思いますので、あくまでも破綻のないレベルと言う程度ではないのでしょうか?

(打撃内容)

 この選手の最大の良さは、甘い球を逃さない「鋭さ」にあります。打席での集中力・相手の隙を突くプレーこそ、この選手の真骨頂。広角に鋭くはじき返す打撃が持ち味です。

 前足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の座りは悪くないのですが、全体のバランス・両目で前を見据えると言った意味では癖があります。それでも身体を揺らいで自分のリズムで打席に立てており、悲観するほど悪い構えではありません。

 仕掛けは「早めの仕掛け」を採用するなど、アベレージ打者の傾向が強いです。足を回し込み「間」を作れる選手で、緩急に対応しうる打てるポイントの多いタイプ。真っ直ぐ踏み込むことで、内外角いずれにも無難に対応。踏み込んだ足下もブレないなど、どんな球にも対応しうる万能型です。

 打撃の準備段階である「トップ」を作るのも平均的で、上からロスなくボールを捉えます。スイングはコンパクトですが、最後までしっかり振り抜きます。ボールを遠くに運ぶと言うよりは、鋭い当たりで野手の間を抜けて行くタイプです。

 足の上げ下げするも目線のブレは小さく、開きも我慢でき、軸足も安定。国際試合でも結果を残せたのは納得です。大きな欠点がなく、上のレベルでも通用する技術を持っております。

(今後に向けて)

 守備・走塁に派手さはないのですが、打撃技術・集中力・意識の高さには観るべきものがあります。プロと言う素材ではないと思いますが、高いレベルのチームでも、主力選手としてやって行ける選手だと思います。強豪社会人チームなどで、長く中心選手として活躍してくれるのではないかと期待しております。

(2010年 世界大学選手権)

 
 
池田 祥大(24歳・ヤマハ)外野
175/70 右/左
(富山商-近畿大出身)

 
 近大時代から巧打者として定評。

 
亀谷 信吾(25歳・トヨタ自動車)左翼
175/78 右/左 
(法大出身)


 
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櫛田 祐也(25歳・東海REX)遊撃
185/77 右/右
(享栄出身)



 享栄高校時代から、大型内野手として注目されてきた逸材。俊足・好守のスケールの大きな選手。

 
 
島仲 貴寛(21歳・三菱自動車岡崎)捕手
175/80 右/右
(日大藤沢出身)

 
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中山 翔也(21歳・三菱自動車岡崎)遊撃
178/71 右/左
砺波工出身)


 
(どんな選手?)

 富山屈指の遊撃手と評判の選手ながら、主戦投手でもあります。甲子園でも先発したように、野球センスに優れた選手で、打者としても技術の高い好打者です。

(守備・走塁面)

 セーフティバントの際には、塁間4.0秒を切りましたが、普通に振り抜いた場合は、4.4秒弱ぐらいと、けして足の速い選手ではありません。その証拠に、富山予選の5試合で盗塁は0個。けして足を売りにするタイプではないようです。

 フィールディングや牽制などの動作を観る限り、さすがに動き・野球センスは悪くないように思えます。投手としても常時130キロ前後を記録する地肩の持ち主で、肩も基準以上のものがありそうです。遊撃手として、もう少しじっくり観てみたかった気が致します。

(打撃内容)

 球に逆らわない打撃が持ち味の好打者です。ややスイングに強さはありませんが、ボールに合わせる上手さ・甘い球を逃さない「鋭さ」があるように感じられました。

 スクエアスタンスでバランスよく立てているのですが、構えた時に力が入り過ぎで、固さを感じます。もう少し自分のリズムを刻んで揺らいだり、リラックスして構えたいところです。

 仕掛けは「早めの仕掛け」を採用するように、アベレージ打者です。足を早めにしっかり引き上げ回し込んで踏み込みます。打撃の「間」が稼げるタイプなので、緩急に強いタイプだと思われます。ベース側にインステップして踏み込み、その足下がブレないなど、打ち損じも少ないタイプでしょう。

 打撃の準備段階である「トップ」を早く作れているのですが、彼独特のリストワークなのでしょうが、ボールを呼び込む際に一度バットを更に後ろに引く癖があり、この辺が余計な動作として影響しなければと思います。ただ大きな弧を描くスイングの割に、インパクトまでのロスも感じませんし、最後まで綺麗に振り抜けるスイング軌道は非凡。これにもう少し強いスイングができるようになると、将来楽しみです。

(今後に向けて)

 走力は物足りませんし、守備に関しては今回の観戦ではよくわからず。富山大会の模様を見直す際に、もう少し詳細を詰めたいと思います。

 ただ打撃技術には素晴らしいものがあるので、あとは「強さ」「鋭さ」のあるスイングを意識すると面白いと思います。ある程度の大学レベルでも活躍できる土台はあるので、上のレベルに力負けしないスイングとスピードに慣れることではないのでしょうか。今後の活躍が楽しみな好打者でした。

(2010年・夏)

 
井貝 星良(21歳・東海理化)三塁
170/73 右/左
(県岐阜商出身)

 
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芳川 浩嗣(24歳・東海理化)捕手
174/80 右/右
(杜若-名城大出身)


 強肩を生かしたスローイングが目立つ好捕手。

 

脇山 渉(24歳・三菱重工名古屋)内野
170/67 右/左
(愛工大名電-創価大出身)


 
 
(第一印象)

 いかにも大学タイプの左の好打者だと言った感じで、プロに行くような圧倒的な凄みは感じないが、三拍子バランスが取れたセンスを溢れるプレーヤー。過去5度のベストナイン獲得の実績も凄い。

(長所)

 普通の人が当てられないような低めの球について行ける、膝の柔らかさが魅力。

 好打者ながら外の球をキッチリ叩け、強い打球を放てるのも良い。

 動作がシンプルなので、余計な動きがなく軸がブレない。

 二塁手としてのスピード感を感じさせ、安定した守備力を誇る。

 最大の武器は、三塁到達 11.25秒という抜群の脚力。秋のリーグ戦では、7盗塁を記録。隙を見逃さず、次の塁を狙う積極的な姿勢にも好感。

(課題)

 守備・走塁は、上のレベルでも通用するだけのものがある。ただ図抜けているのか?と言われると微妙で、現状は中の上~上の下ぐらいかなと。

 打撃もリーグ戦.378厘の数字が示す通り、けしてひ弱さも脆さも感じさせない。ただプロというまでの凄みがないのも確か。

 「仕掛け」が「遅すぎる仕掛け」を採用しており、打てるタイミングが限られている。好打者タイプだけに、この打てるタイミングが限られる今の打ち方だと、アベレージが何処まで残せるのかは疑問。

(将来像は)

 社会人ならば、一年目からレギュラーとして活躍しても不思議ではないレベル。あとは、もう少し始動を早めて、打てる幅を広げつつ打撃に凄みが出てくると、2年後の指名も期待できるのではないのだろうか。

 現状は、三拍子中の上タイプであり、そこからの脱却を期待してみたい。

(2011年 神宮大会)

 
山田 敬介(25歳・三菱重工名古屋)外野
175/76 右/右
(春日丘-東北福祉大出身9

 
 俊足・巧打で鋭いプレーを連発。

 
真弓 竜一(22歳・王子)外野
179/83 右/右
(四日市工出身)

 
 高卒ながらパワフルな打撃で、期待の若手野手の一人。

 
藤澤 拓斗(23歳・西濃運輸)三塁
174/80 右/左
(柳ヶ浦出身)

 
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生島 峰至(24歳・西濃運輸)外野
175/80 右/両
(大阪桐蔭-同志社大出身)


 
 
(どんな選手?)

 大阪桐蔭時代は、左の好打者と言った感じで、大学で4番を務めるような打者になると思いませんでした。今春のリーグ戦では、打率.217厘 0本 ながら、9打点をあげる活躍を魅せました。

(守備・走塁面)

 残念ながら、一塁までの塁間タイムは計測できず。高校時代のメモによると、4.2秒ぐらいと、基準レベルの脚力はあるようです。実際そのプレーを観ていても、足を売りにするほどのスピード感は感じられません。

 むしろ目につくのは、右翼の守備の方。落下点への入りや打球の追い方などに大きな欠点はありません。特に地肩が強くスローイングは武器にできるレベル。少し捕ってから投げるまでに時間がかかるかなと言う印象はありますが、この肩は見物です。

(打撃内容)

 前の足を大きく引く、左オープンスタンス。グリップは下げ気味に添え、バットを立てて構えます。腰をグッと深く落とし背筋を伸ばす独特の構えであり、両目で前を見据える姿勢も悪くありません。

 仕掛けは、投手の重心が下がる時つま先立ちし、本格的に始動するのは投手がボールを放してからと「遅すぎる仕掛け」を採用。これでは一定レベルの球速やキレのある投手の球には、対応仕切れないことが予想されます。

 足のカカトをその場で降ろすだけの、動作を極力小さくしたスタイル。ただその割に、踏み込んだ足下がインパクトの際にブレてしまい、体の開きが我慢できません。完全に「点」の打撃であり、狙い澄ました球を逃さない「鋭さ」が求められます。

 トップを作るのは遅くはありませんし、バットの振り出しも悪くありません。ただ足下の開きが我慢できないので、外の球を我慢して捌くことができません。目線も大きく動きませんし、軸足にも粘りが感じられるだけに、誠に惜しい選手だと言う気が致します。

(今後は)

 足下のブレを防ぐスイングが身につけられれば、もっと打率が上がって来ると思います。元々ボールを捉えるセンスは悪くありませんし、右に左へと打ち返す幅広さもあります。

 守備・走力とも抜けてはいませんが、スローイングは魅力。社会人などに進んでプレーをして行くことになると思いますが、そこでの更なる進化を期待してみたいところです。

(2011年 大学選手権)



センバツでは中田選手が最注目なのは間違いありませんが、生島選手も要注目だと思います。昨年秋以降の生島選手の活躍ぶりにより、今では逸材ぞろいの大阪桐蔭の中でもかなり突出した存在になってきたようにも思えます。

 昨年の公式戦12試合で6本塁打。今年に入って、解禁後の練習試合でも6試合で4本塁打。昨年秋の公式戦から始まった本塁打量産ぶりはどうやら本物のようです。驚異的なペースの中田選手の影に隠れていますが、この選手の量産ぶりも驚異的。他の全国の逸材達を凌ぐ活躍をみせていると言ってもいいと思います。

 実際、昨秋何度か公式戦に直接足を運びましたが、その時も右へ左へホームラン・長打を連発していました。特に全国屈指左腕ともいえる植松投手から打った二打席連続ホームランは特筆に価すると思います。というのも、ホームランを二本打ったのですが二本目は明らかに最初からホームランを狙らって打ったものだからです。最初のホームランも変化球をうまくミートしてライトスタンドへ持っていった技ありの一発だったのですが、二本目のホームランは初球にストレートが来ると読んで豪快に右中間へ持って行きました。全国でも有数の投手に対してのこのパフォーマンスはもっと評価されていいと思います。

 さらに、生島選手は足も速い(公式戦ではチーム1の盗塁数)ですし、守備もよく、肩も強い。大阪桐蔭では、主に中田選手と岡田選手がプロ候補として名が挙がっていますが、大学経由になる可能性が高いとは思いますが生島選手も少なくともプロ候補としてチェックしていくべき選手だと思っております。

(2007年 3月19日 甲子園の道氏)



 秋季大阪大会では、2打席連続本塁打を放ち、鋭い打球を連発している。逸材揃いの大阪桐蔭では、6番・中堅手として出場。右に左へと対応力のある打撃が、この選手のセンスの良さを感じさせる。

 一塁までの塁間を4.2秒強ぐらいと基準レベルの脚力と破綻のない守備力で安定。それほど凄みのある素材ではないが、そのセンスが大学・社会人あたりで華開くことを期待したい。夏に向けて、何処までレベルアップして来るのか注目してみたい選手だ。

(2007年・選抜)

 
庄司 輔(24歳・HONDA鈴鹿)外野
175/83 左/左
(修徳-国学院大出身)


 
(どんな選手?)

 優勝した国学院大の4番打者で、勝負強さが際だつ選手です。特にその打撃のポテンシャルは、東都の野手でも目立つものがあります。3年秋のシーズンでは、初のベストナインにも輝きました。

(守備・走塁面)

 この3年間で49試合に出場し、盗塁は僅か1個。その数字が示す通り、足を売りにするタイプではありません。

 守備位置も一塁手と言うことで、アピール度に欠ける印象は否めません。秋のシーズンも失策は0個と、ファーストの守備に破綻は感じませんでした。ただ他のポジションを担えるのか?と言われると疑問ですが。

 残念ながら、守備・走力でのアピールポイントがないのが残念です。打撃では光るものがあるのですが、ドラフト候補になるかと言われると総合力で疑問です。

(打撃内容)

 打撃では、勝負強い印象があるのですが、意外に打点の少なさが気になります。彼のような4番打者ならば、毎シーズン5点以上の打点を残すような安定感や二桁打点を残していてもと言う気がします。しかし5点以上を残したシーズンは、4年春だけ。また打率も、春の.311厘が最高で、印象ほど抜けた打撃成績を残しておりません。

 左のオープンスタンスで、重心を深く沈めて構えます。投手の重心が下がる時に、開いていた前足をベース側につま先立ち。本格的な始動は、「遅めの仕掛け」に属する長距離タイプ。ただ実際試合を観ていると、中距離・ポイントゲッタータイプに見えるのですが、一発で仕留めるスラッガータイプと言うのが、本質のようです。

 足を小さくステップさせるため「間」がなく、狙い球を逃さず叩く「鋭さ」が求められます。そのタイミングを上手く扱えなかったところが、これまであまり打率が上がってこなかった理由かもしれません。強打者らしくベース側に踏み込むインステップ打者で、外の球もしっかり捉えることができます。また踏み込んだ足下もブレませんので、しっかりタイミングがあえば、打ち損じの少ない文句なしの打球が飛ばせるのでしょう。だからこそ、その数字以上に、彼の打撃は印象深いのだと思います。

 仕掛けは遅いのですが、打撃の準備段階の「トップ」は早く作ることができています。そのために速い球に立ち後れる心配は薄く、むしろ変化球などの緩急に狂わされないかが心配です。バットを上から振り下ろすロスの少ないスイング軌道なので、スイングの弧自体は大きくありません。しかしスイング最後のフォロースルーの段階で、グリップを高い位置まで引き上げることで、ボールを遠くに運ぶことができます。もう少し、しなりを生かした大きなスイングができれば、スラッガーとしての資質を開花させられるかもしれませんが、そうすると対応力が弱まる危険性も広がります。

 頭のブレも小さく、開きも我慢でき軸足にも強さを感じます。今は、どのようなプレースタイルで、自分が今後もやって行くのか模索している最中なのかもしれません。打撃スタイルと異なる動作が混在しており、イマイチ特性がハッキリしない傾向にあります。

(今後は)

 勝負強いポイントゲッタータイプの中距離打者を目指すのか、それとも生粋のスラッガーを目指すのか、その方向性がハッキリしません。ただ試合を決めるような印象深い打撃は、数字だけでは計れないものがあります。

 残念なのは、秘めたる打撃のポテンシャルは感じさせるものの、守備・走力などでのアピール度が低いために、総合力で評価できない点にあります。ただその欠点を補うには、圧倒的な打力で文句を言わせないこと。そのことを考えると、生粋のスラッガーとして生き残る道を模索する方が得策かもしれません。ただそうなると、よほど意識が高く持たないと、この打撃をモノにするのは難しく、伸び悩む危険性も否めません。それでも全国の舞台を経験して、更に凄みを増す最終学年であって欲しいと願わずにはいられません。打撃でオッと思わせてくれる、数少ない野手ですから。

(2010年 神宮大会)


 
岡田 雅利(24歳・大阪ガス)捕手
170/72 右/右
(大阪桐蔭出身)



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井上 晴哉(24歳・日本生命)内野
180/100 右/右
(広陵-中央大出身)

 
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小林 誠司(24歳・日本生命)捕手
178/72 右/右
(広陵-同志社大出身)

 
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小田 裕也(24歳・日本生命)外野
172/69 右/左
(九州学院-東洋大出身)


 東洋大時代は、首位打者などを活躍するなど、東都でベストナイン2度の好選手。

 
 
中井 竜基(25歳・日本生命)内野
170/73 右/左
(光星学院-中部学院大出身)


 
俊足・強打の二塁手で、日米野球の代表候補に選出され、ベストナイン4回を記録するリーグを代表する選手。



 日本代表候補に選ばれた選手です。バットを立ててオープン気味の構えをします。打撃ではじっくり球を見るタイプで選球眼がよく、足もなかなか速いです。昨年は2番を打っていました。

 3打席目まではセンターから右方向に逆らわずに打っておりました。1-1の同点の7回にチャンスで回ってくると、初球の外角スライダーをフルスイングしてあわやホームランかというセンターオーバーのツーベースを打ちました。体制を崩しながらも振り切りました。ヒット狙いのスタイル化と思ってましたが、意外に長打も打てることが分かりました。

 守備でも打球の正面に回りこんで丁寧に捕球・送球をします。派手さはないのですが堅実なプレーをします。二遊間を完全に抜けたという打球でも横っ飛びでなんとか止めようとするなど、常に手を抜かないプレーに好感が持てる選手でした。。現在3年で光星学院卒ということは、高校時代は巨人の坂本と二遊間を組んでいたということでしょうか。

(2009年春・Kimi氏)

 
足立 祐一(24歳・Panasonic)捕手
176/77 右/右
(桜美林-神奈川大出身)



(どんな選手?)

 桜美林時代は、東京都の大会で決勝まで行ったことのある実績の持ち主です。今や神奈川リーグを代表する捕手に成長致しました。

(ディフェンス面)

 投手を気遣い頭を使ってプレーする、捕手らしい捕手です。ミットを軽く示し、グラブを下げないで捕球するので、低めの球へもそれなりに対応できます。ただキャッチング自体それほど光るものはなく、スローイングも塁間2.1秒台と、ドラフト候補としては考えにくいものがあります。典型的なアマタイプの好捕手といった感じです。

(打撃内容)

 打球が、センターからレフト方向に引っ張る典型的なプルヒッターと言う気が致します。スクエアスタンスでバランスよく構えます。少し構えが固いかなと言う印象は受けますが。

 仕掛けは「遅めの仕掛け」を採用するなど長距離打者タイプ。足を軽く引き上げ、まっすぐ踏み込みます。ただステップが狭く腰の回転を促す引っ張り専門の打撃です。

 ややバットを引くのが遅く、打撃の準備段階であるトップをしっかり作れないのが気になります。肘が下がって腰が早く逃げるタイプなので、真ん中~内角よりの球は巻き込めますが、外角それも低めの球への対応は苦しそうです。当たれば大きいですが、確実性の低い打てる球が限られたタイプなのでしょう。

(今後は)

 多少打撃が粗いのは、捕手と言うポジション柄ありなのかもしれません。ただ捕手としては捕手らしい選手で好いのですが、プロ云々と言うほどの地肩などのポテンシャルがあるタイプではありません。上のレベルでも通用するレベルなのかも微妙ですが、今年の神奈川大学球界を代表する選手として、その可能性を見極めてゆきたいと思います。

(2010年・神宮大会)

 
 
影山 拓也(24歳・NTT西日本)外野
175/75 右/左
(済美-東海大出身)

 
 東海大時代にはミート力を生かし首位打者やベストナインを獲得。

 
中西 純平(24歳・NTT西日本)外野
182/90 左/左
(青森山田-亜細亜大出身)

 
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大島 寛之(24歳・三菱重工神戸)外野
178/78 左/左 
(千葉経大附出身)


 
 
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石上 輝幸(25歳・三菱重工神戸)中堅
170/70 右/左
(京都成章出身)



高卒ですぐに頭角を現し、今年6年目になる選手です。三拍子バランスの取れたプレーヤーで、都市対抗では2番・中堅手として出場。予選でも打率.478厘とハイアベレージを残し、チームでも欠かせない存在になってきました。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を、大体4.05秒前後で走り抜ける中の上レベルの脚力があります。以前は、それほど脚力でアピールすることが少なかったのですが、予選の7試合で5盗塁を決めるなど、足でアピールできる選手になってきました。

 以前は右翼を守っていましたが、都市対抗では中堅手として出場。非常に守備範囲が広く、打球への反応・落下点への入り方も安定しており、守備でも見るべきものがあります。ただ地肩に関しては、未だによくわかりません。

 守備・走力に関しては、プロでもやれるだけの高い能力があると見て好いでしょう。

(打撃内容)

 ステップが小さいので、センターからライト方向へ巻き込む打撃を得意としているようです。仕掛けは早めで、アベレージヒッターです。

 
真っ直ぐ踏み出した足元もブレませんし、早めにトップを作りつつ、バットのヘッドを立てたスイング軌道にも無駄がありません。頭の動きも小さく、技術的には殆ど完成されています。

(最後に)

 
守備でも走力でも打撃でも、プロレベルに混ざっても、ある程度やれるだけのものは持っています。しかしそれじゃプロに混ぜた時に、どういった特徴を見出して行けるのか?と言われると微妙な気が致します。けして力が見劣るわけではないのですが、典型的なアマの好打者といったタイプで、これからも長く社会人で活躍して行くタイプなのかなと思います。ただシッカリ仕事をしてくれる外野手が欲しい、そういった意味では好い選手だと思いますが。

(2011年 都市対抗)




(どんな選手?)

 小柄なアベレージヒッターで、三拍子揃った好選手です。高卒2年目ながら、すでに三菱重工神戸の核弾頭して活躍している稀な存在です。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を、4.05秒前後で走り抜けるなど、まずまずの俊足選手です。ただ都市対抗予選3試合で一盗塁と云うことで、滅法足を売りにするタイプではないように思えます。

 また右翼手としては、中々反応・球際でのキャッチングは悪くなさそうです。地肩に関してはよくわかりませんが(右翼を任されているのだから悪くはないのだろうが)、守備に関しては上手い部類の選手ではないのでしょうか。

(プレースタイル)

 完全にセンターから左方向に、無理なくはじき返すようなアベレージタイプです。ただ高卒2年目でレギュラーに定着するだけの、ヘッドスピードの速さがあるのが魅力です。ボールを追う眼力・ボールをミートポイントで捉えるセンスも、基準レベル以上のものがありそうです。

(打撃フォーム)

 左オープンスタンスで、リラックスして構えられているのが良いです。ただ始動が「遅すぎる仕掛け」を採用し、プロレベルの投手相手だと厳しいかなと思います。そのためトップに入るのも、少し遅れ気味な印象を受けました。

 しかしその反面、スイング軌道は理想的ですし、最後までしっかり振り切れております。この無駄のないスイングが、好打者である所以だと思います。また目線がブレず、開きも我慢出来、軸足にも粘りが感じられます。しぶとい打撃も期待出来るタイプだと思います。

(素材としては)

 もう少し「強さ」「イヤらしさ」に磨きがかかると良いですね。ある程度「速さ」もある選手ですし、「センス」の部分も感じられます。あとは、プレーに貪欲さなど、気合い・執着心が出てくると、魅力的です。

(今後は)

 俊足・巧打の若手外野手として、まだまだ伸びる要素はあると思います。ただどちらかと云うと、アマタイプの好打者で、プロが好むタイプではないように思えます。ただ育成枠など、プロの基準も広がっておりますので、志しを高く持って、社会人の名選手やプロへの意識も高めて行ってもらいたいと思います。

(2008年・都市対抗)


 
 
八木 賢吾(23歳・三菱重工神戸)捕手
177/82 右/右
(市川出身)


 
市川高校時代から、強打の捕手として話題でした。社会人に入っても、2年目ぐらいからスタメンに座ることが多く、期待の若手捕手として注目されてきた選手です。

(ディフェンス面)

 ミットをしっかり示し、グラブを下に下げないで捕球できます。そのためワンバウンド処理への対応も素早く、ボールに力負けしないキャッチングなどには好感が持てます。ちょっと都市対抗では、スローイングが正確に確認できませんでした。元々地肩は強かったのですが、モーションに無駄が多かった選手。それが、どのぐらい改善されていたのか気になるところ。

(打撃内容)

 捕手らしく、打球はパワフルでパンチ力を秘めますが、対応力はそれほどでもといったタイプ。構えから癖があり、仕掛けも遅すぎます。バットも体から離れて出てきますし、技術的に低いです。

 ただ早めにトップを作れますし、ベース側に踏み込んだ足元はブレませんし、動作が小さい分、軸もしっかり出来ています。

(最後に)

 スローイングの精度がどの程度になっているかは気になりますが、昔から正直ピンと来たことがありません。プロ入り解禁の年を迎え何年か経ちますが、指名は見送られてきました。よほど大きな成長がないと、このまま長く社会人でということになりそうです。

(2011年 都市対抗)



選抜では、プロ側から高い評価を与えられた捕手。捕手ながらチームの核弾頭を努める高い身体能力が魅力で、右打者ながら塁間を4.25秒前後(左打者ならば3.95秒前後に相当)する俊足ぶりと、塁間2.05秒前後で到達するスローイングの持ち主。

 捕手としては、ワンバウンド処理など低めの球の対応が上手く、グラブ捌きの上手さには目を見張るものがある。地肩自体中々強いのだが、モーションが大きくロスが大きい。そのため、もっとコンパクトなスローイングを身につけられると、まだまだ到達タイム自体は速くなるものと期待される。

 ただどうだろう?私には、この選手は将来的に野手としての可能性は強く感じるものの、上のレベルの捕手としては微妙なタイプかなと思う。甲子園でもレフトスタンドに叩き込んだように、パンチ力・運動能力とも優れており、他のポジションを視野に入れての素材かなと考えたい。もう少し夏まで、じっくり観てみたい1人ではないのだろうか。

(2007年・選抜)


 
那賀 裕司(23歳・三菱重工神戸)外野
180/85 右/右
(大阪桐蔭-立教大出身)

 
 投手としては130キロ前後の投手で、投げ方も担ぎ投げで魅力に欠ける。やはりその将来性は、断然野手としてだろう。グリップを高く引き上げた強打者スタイルで、構えた時から雰囲気が良い。ヘッドスピード・打球の強烈さも良く、ロングヒッターとしての資質は、中田に次ぐ才能があるとみる。

 一塁までの塁間を4.55秒弱で走り抜けられ、これを左打者に換算すると4.25秒弱と云うことで、プロの基準並の走力だと考えられる。左翼手としては、それほど目立つ選手ではないだけに、走力・守備力での更なるレベルアップを期待したい。

 現状は7番打者を務めるように、対応力にはやや課題を残すようだ。純分にタレント揃いの大阪桐蔭の中でも、中軸を形成出来る才能はある。夏までに彼が成長して来るようだと大阪桐蔭の全国制覇も現実味を帯びて来るだろう。まだまだ未完の大器と云った感じの将来性豊な長距離砲候補だった。


(2007年・選抜)

 
宮崎 雅史(25歳・三菱重工神戸)遊撃
175/79 右/右 (城西大出身)


 
城西大から入ったルーキーで、三拍子バランスの取れた好選手です。都市対抗では、6番・遊撃手として出場しました。

(守備・走塁面)

 軽快な遊撃守備が、この選手の一番の売り。打球への一歩目の反応・フットワーク・スピード感と素晴らしいのですが、予選の7試合で4失策と安定感に欠けるところがあるようです。地肩もかなり強く、守備ではプロを意識できる素材です。

 残念ながら、今回の観戦では正確なタイムは計測できませんでした。6番打者ですが、7試合で2盗塁と、けして動けない選手ではないようです。

(打撃内容)

 予選では、打率.423厘と高い打率はを残しましたが、本戦のスイングを見るかぎり、少し打撃が弱い気が致しました。基本的には、シュアな巧打者タイプに見えました。

 ただ仕掛けは「平均的な仕掛け」で、長打力と対応力をバランスよく兼ね備えた中距離タイプ。小さくベース側にインステップし、踏み込んだ足元がブレないので、外の球にもついて行けるタイプ。

 打撃のトップは早めに作れていますのですが、腰の逃げが早くバットが遠回りに出てくるのが気になります。打ちにゆくときに目線はブレませんし、開きも我慢できているのですが、軸足の形が崩れているのが気になります。少し体のツッコミが抑えられないのかもしれません。

(今後は)

 ドラフト対象年度となる今年は、守れる遊撃手として注目してみる価値はあると思います。ただ自慢の守備での安定感、打撃の弱さをいかに改善して行けるのかが今後の課題でしょう。そこを改善して行ければ、プロも視野に入れられるのではないのでしょうか。

(2011年 都市対抗)


 
藤井 亮太(25歳・シティライト岡山)捕手
177/70 右/左
(高砂南-東海大海洋学部出身)

 
 内野手だった経験を生かし、高い運動神経を誇る好捕手。

 
前原 一慶(25歳・JFE西日本)内野
178/85 右/右
(岩国商-駒沢大出身)


 
一人だけ真っ黒に焼けていたのが印象的。こちらも高山同様立派な体躯を誇り、いかにもパワフルな感じ。レフトスタンド中段に叩き込んだ本塁打は、打った瞬間それと分かる素晴らしい当たりだったが、何よりも常にガッツ溢れる?プレーぶりに好感。大型だが、
一見して感じる以上に体はよく動く選手だった。

(2007年 5月3日 DINAMO-JIN 氏)

高校時代は


 
岡 将吾(24歳・JFE西日本)遊撃
177/80 右/左
(西日本短大附-駒沢大出身)

 
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松浦 大則(24歳・JFE西日本)内野
177/79 右/右
(金光学園-関学大出身)


 関学大時代から関西を代表する強打者として、全日本合宿に招集された素材。社会人で、更に強打に磨きがかかった。

 
 
渕上 大地(23歳・三菱重工広島)遊撃
181/76 右/右
(日本福祉大出身)

 
 軽快な守備としぶとい打撃で、大学時代から密かに話題に。

 
原口 翔(24歳・伯和ビクトリーズ)内野
182/76 右/左
(熊本城北-日産自動車九州)


 
 2年夏には、1番・一塁手として出場。一番打者ながら、大型で雰囲気のある強打者だった。俊足・好打の核弾頭と云うことだったが、一塁までの塁間は、4.4秒弱ぐらいと、けして左打者でも速い方ではない。

 まだ打撃も好打者と云うよりは、かなりの強打者と云った感じの破壊力のある選手であった。三塁手としての守備は確認出来ていないが、打撃には良いものを持っていたので、今後更に上の世界で、その打撃を磨いて欲しい。

(2006年・夏)


 
上原 崇寛(24歳・伯和ビクトリーズ)捕手
185/83 右/右
(聖望学園-八戸大出身)


 
(どんな選手?)

 恵まれた体格の捕手で、ミットのブレナイキャッチングなどディフェンス力が魅力です。今回「野球小僧」のリストに掲載されていたので、あえてチェックを入れてみました。

(ディフェンス面)

 ミット投手に軽く示し、そのグラブを地面に下げないのは良いと思います。ボールの勢いに負けることなく、ミットがキャッチングの際にブレないのが、この選手の最大の良さ。またグラブ捌きも柔らかく、キャッチングはなかなか上手いように思えます。投手に軽く返球しつつも、テンポの良いリズムを心がけたリード。スローイングは、テイクバックが小さめで制球重視ですが、塁間1.9秒前後と平均的なレベルにはあるようです。ことディフェンス面に関しては、社会人あたりでも続けて行けるものがありそうです。

(打撃内容)

 ただ問題は、柔軟性に欠ける打撃にあります。この脆さを改善して行くのは、正直容易なことではなさそう。

 前足を軽く引いて構えるのですが、その時に力が入り過ぎなのが気になります。仕掛けは「平均的な仕掛け」を採用する中距離・ポイントゲッタータイプ。足のカカトのみを浮かして、真っ直ぐ踏み込むタイプです。踏み込んだ際に、足下がブレないでスイングできるのは好感。

 気になるのは、打撃の準備段階である「トップ」を作るのが遅れてしまい、速い球に差し込まれやすいこと。そして肘が下がって、バットの振り出し角度が悪く、ボールを捉えるまでにロスを感じさせる遠回りなスイング軌道にあります。この辺を改善して行かないと、上のレベルでは厳しいかなと感じますが。

(今後は)

 ディフェンス力はしっかりしたものがあるので、この一年でいかに打撃を改善できるのかにかかっているのではないのでしょうか。志しを高く持って、頑張っていって欲しいと思います。

(2010年 神宮大会)



 
大型の捕手でありながら、身体を小さく屈め、的を大きく魅せるキャッチング。グラブ捌き、ワンバウンド処理の機敏さなど、ディフェンス力の良さには、目を見張るものがある。2007年度埼玉球界を代表する大型捕手・それがこの、上原 崇寛 である。

 地肩に関しては、2.15秒前後のスローイングと並程度のタイムだが、スローイングまでの反応・その球筋は安定しており、破綻はないレベルになっている。

 完全に気になるのは打撃の方。2年夏の時点でも8番打者を務めている。バットを捕手より寝かせてから元に戻して打ちに来る独特のスイング。

 始動が遅すぎて、すべての動作が不完全燃焼。体重移動も不充分だし、身体の開きも我慢出来ない。上のレベルで野球を続けることを意識するのであれば、そのディフェンス力よりも、完全に打撃力の向上がポイントになろう。捕手としては好感が持てるが、打撃に関しては、非常に不満の残る内容。全体の始動を早めて、しっかりした動作のスイングを身につけて欲しい。
 

(2007年 1月7日更新)


 
中本 翔太(24歳・伯和ビクトリーズ)内野
177/86 右/左
(日南学園-朝日大出身)


 タレント揃う同校の中でも、4番打者として打撃の中心となり、更に主将としてチームをまとめた強打者。ツボにはまった時は本塁打を放つが、本質的には野手の間を強烈な球足で抜けて行くタイプだろう。

 思いっきり良い、力強いスイングが魅力で、打撃でアピールしたいタイプ。上のレベルでも打撃でアピール出来るだけの能力がありそうで、今後の活躍も期待出来そうだ。ただ、少々粗い部分が目立つだけに、今後は如何に対応力を増して行けるのか注目したい。

(2007年・夏)

 
松島 圭祐(25歳・伯和ビクトリーズ)外野
176/82 右/左
(広島工-流通経済大出身)


 
気持ちの強い核弾頭で、センターに右へと強い打球を打てる選手です。リーグ戦では、打率.441厘 4本塁打 19四死球 と図抜けた成績を残している選手のようで、これからの新東京リーグの看板選手になって行く選手かなと思います。

 中堅手としての動きも良いですし、地肩は平均レベル。一塁までの塁間は、4.1秒弱と基準以上の走・守の力もあります。これからも注目して観て行きたい選手でした。

(2008年・神宮大会代表決定戦)

 
吉良 辰則(25歳・三菱重工三原)捕手
173/73 右/右
(尾道出身)

 
強肩・好リードが光る、期待の若手捕手。

 
東向 誠(24歳・JR九州)外野
180/85 右/左
(上宮太子出身)

 
高校時代から注目の強肩と強打が自慢。



三丸 大地(22歳・JR九州)三塁
188/85 右/右
(鎮西学院出身)

 
 
 大型三塁手として期待される、強打者。

 
簑田 圭介(24歳・熊本ゴールデンラークス)二塁
170/75 右/左
(九州学院-九州国際大出身)

 
 軽快なフットワークと巧打で、大学時代はベストナインの常連。

 
小山 達也(24歳・熊本ゴールデンラークス)外野
172/65 右/右
(北九州市立-九産大出身)

 
 足のスペシャリストとして注目される。

 
金城 長靖(25歳・沖縄電力)二塁
170/72 右/両
(八重山商工出身)


 
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山川 大輔(21歳・沖縄電力)捕手
170/78 右/右
(興南出身)


(どんな選手?)

 小柄ですが、捕ってから素早いスローイングと柔らかいキャッチング目立つ好捕手です。

(ディフェンス面)

 それほどはっきりミットを示す選手ではないのですが、グラブをあまり下げず、柔らかいグラブ捌きが出来る選手です。捕手としても、捕ってから実に素早く、かつ強肩で、1.83秒ぐらいで到達するスローイングは、まさにプロ級です。好投手・島袋の投球を支えるのは、この選手のリードも大きいです。

(打撃内容)

 沖縄予選では、打率.200厘。チームでは、7番を担います。特に打撃には特徴はないのですが、可も不可もなしといった印象です。全国レベルでも通用する打力を身につけたいですね。

(今後は)

 捕手としては、中々センス・身体能力を兼ね備えた好選手です。あとは、打力も磨き、来年度の沖縄を代表する存在に育って欲しいですね。今後の活躍を期待したい好選手でした。

(2009年・夏)

 
 
与那嶺 光(21歳・ビッグ開発クラブ)右翼
174/64 右/左
(南風原出身)

 
 ビッグ開発の試合は第四試合だったので、さすがに見ないで帰ろうと思っていた。しかし第三試合の終盤になって某球団のスカウト達が、ビッグ開発クラブの選手を見にやってきたのだという。実際どの選手が目当てだったのまではわからなかったが、試合前練習と打者二巡目ぐらいまでは見て行き選手を確認してみた。その中で一番光っていたのが、この選手だった。もちろん彼らの目的が、彼だったのかどうかはわからない。

(守備・走塁面)

 この選手の一番の売りは、右翼手としての返球にある。この地肩の強さは、プロでも売りにできるレベルにあるだろう。そういった守備が、スカウトのお眼鏡にかなったのか? 走力も、一塁までの塁間を4.10秒強だから、最後少し緩めたところをみると、塁間4.0秒を切っても不思議ではない。ただ足に関しては、そこまで際立つものはなく中の上レベルと見て好いだろう。チームの一番打者ではあるが、予選の4試合で2盗塁。アマの数字としては、際立つものではない。

(打撃内容)

 鋭く野手の間を抜けて行くタイプの選手なのだろうが、予選の打率.312厘は図抜けた数字ではない。実際に見ていて、プロとなると物足りない印象が残った。

<構え> 
☆☆☆

 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップを高めに添えてバットを立てて構えます。背筋をピンと伸ばし、両目で前をしっかり見据えられ、全体のバランスとしては平均的でしょうか。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈み込んだあたりで始動する、「平均的な仕掛け」を採用。これは、ある程度の長打力と対応力をバランスよく兼ね備えた中距離ヒッターの始動です。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 足を早めに引き上げて、ベース側にインステップして踏み込んできます。早めに始動するため、速球でも変化球でも合わせやすいはず。ベース側にインステップして来るので、外角を強く意識したスタイルだとわかります。踏み込んだ足元もブレないので、外の球でも開きを我慢して対応できます。ただ左の好打者タイプの打者がインステップを採用すると、どうしても右投手のクロスに食い込んで来る球筋に苦労し、内角が捌けなくなります。そのため、左のアベレージ打者でインステップを採用する選手は、殆どいません。また一塁への走りだしも、ワンテンポ遅れるのも大きな要因だと考えられます。

<リストワーク> 
☆☆

打撃の準備である「トップ」の形をつくるのが遅れがちで、一定レベルの球速・キレのある投手には苦労しそう。バットの振り出しも、けしてインサイド・アウトではないので、インステップも相まって内角が綺麗に捌けません。それでもバットのヘッドが下がるようなことはないので、ドアスイングにはなりません。この選手好打者タイプにしては、上手くヘッドが抜けて来ないなぁというのが率直な感想でした。

<軸> 
☆☆☆☆

 足の上げ下げも静かなので、目線は上下にブレません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて、軸回転でスイングはできています。

(最後に)

 肩を中心とした守備でのアピールはできますが、打撃・走力でのアピール度もう一つ。育成枠でも、ちょっと厳しいように思います。またチームメイトの渡嘉敷 貴彦(25歳・帝京大出身)中堅は、ニ盗・三盗を決めるように、プロでも足を売りにできる圧倒的なスピードはありました。ただ中堅手としては、肩が中~中の上ぐらいでそれほど際立たないのと、打撃も特別抜けている感じは致しません。恐らくこの二人のいずれかをお目当てにスカウトも足を運んだのでしょうが、気がついたら私よりも早く帰宅の途についていました。育成枠ドラフトで、彼らの名前が呼ばれるのか密かに注目したいと思います。

(2013年 全日本クラブ選手権)




独立系チーム



 
町田 翔司(23歳・BC群馬)投手
180/78 右/右
(前橋工-オール高崎野球クラブ出身)


 
 中学時代から有名な投手だったようで、春まではエースとして活躍した投手だそうです。まだ全身を生かし切れていないフォームなのですが、その割に非常に手元まで伸びる速球を投げ込む楽しみな投手です。球速は、常時130~MAXでは130キロ台後半ぐらいでは出ていそうな勢いがあります。変化球は、横滑りするスライダーに、どうもフォークらしき落ちる球もあるようです。

 牽制などは鋭くないのですが、1.0秒前後の高速クィックが出来ます。ただあまり投球をまとめるセンスなど、野球センスは高くない印象で、まだまだポテンシャルの高さで投げている印象が強いです。

 まだまだ、身体に「強さ」、投球に「イヤらしさ」などにも欠けますし、身のこなしに「柔らかさ」や動作に「鋭さ」がありません。ただそれでもあれだけの球を投げ込んで来るのですから、もう少し、しっかりしたフォームが身につけられると、伸びて来るかもしれません。志しを高く持って、高いレベルを目指して欲しいと思います。

(2008年・夏)

 
清水 信寿(26歳・BC群馬)投手
178/85 右/右
(豊田西-中京大-エイデン愛工大OB-三重)


 愛知リーグでは、春・秋、防御率0点台と圧倒的な数字を残している本格派。オーソドックスな右の本格派と云った感じで、常時140キロ前後の速球に、カーブ・スライダー・フォーク・チェンジアップなど変化球も実に多彩だ。

 神宮大会では、左打者に対し球が上吊り制球が安定せず、序盤で攻略。相手の揺さぶりや味方のエラーなどが起きても、動じない精神力を養いたい。来年は、リーグ戦だけでなく全国で通用する実戦力を身につけて戻ってきて欲しい。

(2007年・神宮大会)

 
 
寺田 哲也(26歳・BC新潟)投手
184/87 右/右

(作新学院-作新大出身)


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佐藤 弘輝(23歳・BC新潟)投手
178/72 左/左
(黒羽-日大国際関係学部出身)


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田村 勇麿(19歳・BC新潟)投手
180/82 右/右
(日本文理出身)


 
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和田 有斗(22歳・BC信濃)投手
182/84 左/左
(所沢商-東京国際大出身)

 
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篠田 朗樹(25歳・BC信濃)投手
180/90 右/左
(春日部共栄-武蔵大出身)

 
 リーグ屈指のクローザーで、スライダーやフォークなど縦の変化も冴える。

 
柴田 健斗(25歳・BC信濃)投手
175/80 右/右
(中京大-愛工大OB)

 
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関口 将平(24歳・BC福井)投手
200/110 左/左
(丸亀城西-米独立-紀州R)

 
 プロ志望届けを提出するも指名漏れして、アメリカに渡米するも肘を痛めて帰国。昨年は、紀州レンジャーズで6勝を上げるなど素材型の域を脱しつつある。130キロ台後半の角度のあるボールと日本人離れした体格が武器にサウスポー。

 
渡辺 靖彬(香川OG・21歳)投手
178/66 右/右

(藤枝明誠高→京都ジャスティス)


(どんな選手?)

今年は、アイランドリーグ6位の防御率 2.44。21試合で、8勝3敗 とチームの主戦として活躍した、期待の若手投手です。BCリーグとの独立リーグ日本一決定戦・チャンピオンシップでも、重要な試合を任されました。

(投球内容)

オーソドックスなフォームから、球速は135~140キロぐらいでしょうか。ボールに球威・球速は感じませんが、フォークとのコンビネーションで投球を組み立てます。たまにカーブのような球もあるのですが、どうしてもフォークを武器にする投手はこの球に頼って、投球が汲々になります。彼も、そういったタイプ。

落ちきらなかったフォークや球威に欠けるストレートを打たれる場面が目立ちます。四死球で自滅するようなタイプではないのですが、それほど細かいコントロールはないようです。牽制はそれなり、クィックは1.1秒前後と、この辺は悪くありません。ただ投球センスを感じるといったタイプではありませんでした。

(投球フォーム)

ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。ランナーがいない時は、もう少しシッカリ体重を乗せてから投げても好いのではないのでしょうか。

<広がる可能性>

引き上げた足を地面に伸ばし、お尻が一塁側に落とせません。しかしこのフォームでフォークを多投するので、身体を捻り出すスペースが確保できず無理があるように思います。

また着地までの粘りもさほどではないので、その他の変化球のキレも生み出し難いのではないかと考えられます。

<ボールの支配>

グラブは内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。ただ、足の甲での地面への押しつけは浅いのが気になります。ボールは上吊りませんが、下半身のエネルギー伝達がシッカリできていないように思います。

<故障のリスク>

お尻が落とせない割に、フォークを多投。そのため肘などへの負担も少なくないのでは?それに振り下ろす腕の角度も結構無理があるので、肩への負担も少なくありません。故障には十分注意して、取り組んでほしいところ。

<実戦的な術>

着地までの粘りがもう一つで、「開き」も微妙な位置。ただそれ以上に気になるのが、腕が絡まない腕の振りの悪さ。これでは、自慢のフォークも見極められてしまいます。更に下半身のエネルギー伝達が不十分なので、ボールに勢い・球威が出て来ません。

(最後に)

アイランドリーグ1年目と若くして、成績も残したので注目はされたとおもいます。逆にそれでも指名されなかったということを、深く受け止めて課題の克服に取り組んでほしいですね。

現状は、球威・球速が物足りなく、フォークもドロンとして見極められてしまうということ。これらの欠点を改善するために、どのようにしてゆけば良いのか。自分なりに答えをみつけることが、ひいてはプロ入りへとつながって行くのではないのでしょうか。

(2012年 独立リーグチャンピオンシップ)

 
 
酒井 大介(25歳・香川OG)投手
175/83 右/右
(東筑紫学園-駒大中退-北九州硬式野球クラブ-長崎セインツ)

 
 アイランドリーグに長く在籍し、実績を積み重ねてきた好投手。

 
眞砂 敦(19歳・香川OG練習生)投手
183/70 右/右
(生光学園出身)


 
 高校時代から140キロ台の速球には定評があったが、故障がちで、その才能を生かしきれなかった。素材はプロ級と評判。

 
竹田 隼人(23歳・香川OG)投手
180/75 右/左
(四国学院大出身)


 

(どんな選手?)

 昨年も大学選手権で、MAX145キロ前後のストレートを披露して、四国学院史上最も速い球を投げる投手ではないかと取り上げた選手です。あれから一年が経ち、今春のリーグ戦では、4勝0敗 防御率 1.65と確かな実績を作り、全国の舞台に戻ってきました。

(投球内容)

 大体大戦では、リリーフで登場。相変わらず球速は確かで、常時130キロ台後半~MAX144キロを記録。変化球は、カーブ・スライダーなどを織り交ぜるオーソドックスなスタイル。

 昨年は、球速が出るも綺麗な回転では投げ込まず癖球的な感じが致しましたが、今年はかなりそうった部分は修正されているように思えます。味方のミスなどもあり、リズムに乗り切れなかったのもあるのでしょうが、ボールはバラツイておりました。それでも昨年よりは、だいぶ投手らしくなってきたのではないのでしょうか。


(投球フォーム)

 特に着地までの粘りに欠けたフォームだったのを、足の逃がしにも工夫が観られ、以前よりも粘りが出てきました。そのため課題だった「開き」の早さも、かなり改善されているように思えます。

 ただボールがバラツクのは、最後までしっかりグラブが抱えれないために、体を振るときに遠心力で外に力が分散してしまい両サイドの制球を乱しているからです。また足の甲での押しつけができていないので、どうしてもボールが上吊りやすい傾向が観られます。そういった制球の部分では、まだまだ課題が多い印象は否めません。

 「球持ち」は平均的で、腕も振れております。ただ「体重移動」が悪いわけではないのですが、暴れる上半身を下半身が受け止めることができず、投げ終わった後に一塁側に流れるなどの欠点が観られます。


(最後に)

 昨年よりは投手らしくなってきましたが、まだまだ投球内容・投球フォームは発展途上です。それだけにれから一年もの間に、どれだけ実戦的なものを追求してゆけるのか?意識の高さが求められます。上手く伸びて行けば、大学から直接のプロ入りも期待できる素材。その成長具合が、今後も気になるところです。

(2011年 大学選手権)




(どんな選手?)

 四国学院大史上、最も速い球を投げ込む投手ではないのでしょうか?コンスタントに145キロ前後の球速を誇り、その球がナチュラルに変化するクセ球です。一見粗そうなピッチングスタイルですが、今春のリーグ戦では4勝1敗 防御率1.21と安定した内容を残しました。

(投球内容)

 スラッとした投手体型から、癖のないフォームで投げ込みます。腕を強く振れる良さがある一方で、強い上半身を支えるだけの下半身が未熟です。そのため着地までの粘り・間がなく、突っ込むことが多いのが課題でしょうか。

 ストレートは、コンスタントに145キロ前後を記録。綺麗な縦回転のボールが伸びてくるのではなく、常に汚い回転で変な曲がりをする癖球なのが特徴です。これは意識してなのか?投げ方の問題なのかはわかりません。また制球にはバラツキがあり、変化球も確認できたものはスライダーのみ。まだまだ投球を組み立てる、制球が云々、変化球がと言うほどの内容ではありませんでした。

(今後に向けて)

 とりあえず、四国に速い球を投げられる大学生が現れたと言う感じでしょうか。ただ素材的には面白いので、これから2年間の間に、如何にその才能を磨いて行き、更に実戦力を身につけられるかだと思います。己が向上心を持って取り組められれば、社会人のみならず、ドラフト候補としても、最終学年では注目されるかもしれません。まずは、更に存在感を高めて、全日本合宿などにも招集されるような存在になって欲しいですね。久々に四国の大学生でから楽しみな選手が出てきました。

(2010年 大学選手権)

 
又吉 克樹(23歳・香川OG)投手
180/74 右/右
(西原-環太平洋大出身)

 
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井川 博文(26歳・高知FD)投手
178/80 右/右
(倉吉農-金沢学院大出身)

 
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中村 正利(19歳・高知FD )投手
178/74 左/左
(鹿児島城西出身)

 
 
 足を勢い良く引き上げ、強気に内角を突くサウスポー。高校時代は、鹿児島を代表する左腕として活躍。

 
吉川 岳(27歳・高知FD)投手
172/78 左/左
(登美丘-桃山学院大出身)

 
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山口 直紘(22歳・徳島IS)投手
178/72 右/左
(桜丘-千葉熱血making出身)

 
 神奈川の桜丘高校から明大に進みましたが、すぐに休学してアイランドリーグにやってきた異色の経歴の持ち主。オーソドックスな、右の本格派投手といった感じで、ここまでの成績は、10試合 4勝3敗 防御率 3.72 と数字の上からは、突出したモノは感じられません。

球速は、常時130キロ前後~MAXで85マイル(136キロ)とやや物足りませんが、スライダーを軸に、カットボール・ツーシームなどの横の変化を武器にしています。この日の先発を託され、選抜のメンバーの中では平凡な成績のわりに選ばれたのは首脳陣の期待の表れかもしれませんが、個人的にはプロ云々というインパクトはありませんでした。

(2012年 四国アイランドリーグ選抜VSフューチャーズ)

 
福永 春吾(19歳・06ブルズ)投手
183/80 右/左
(クラーク記念国際出身)

 
 140キロ台の速球に、カーブ・スライダーを織り交ぜ、素材の良さが評判に。


鱸 翔平(20歳・06ブルズ)投手
171/74 右/右
(今治北-香川OG練習生)

 
 
 サイドから繰り出す安定感のある投球で、プロアマ交流戦でも好投。

 
濱田 俊之(21歳・兵庫BS)投手
174/80 右/右
(川崎北-愛媛MP出身)

 
 スリークオーターから繰り出す切れの良いボールに、スライダー・シンカー織り交ぜ成長中。

 
野呂 大樹(25歳・BC新潟)外野
171/74 右/右
(堀越学園-平成国際大出身)

 
 野呂は、リーグ戦では 52試合 0本 29打点 盗塁 34(リーグ1位) 打率.335厘(リーグ3位)という好成績を残しています。平成国際大時代から、パンチの効いた打撃と外野から強肩ぶりにも注目していましたが、正直走力でアピールするタイプだとは思っていませんでした。

 ただ今日は、市川(巨人)の2.1秒のスローイングでアウトになるなど、それほどスピード感・スタートの良さなどに図抜けたものは感じません。三遊間・センター前と二本のヒットを放ちましたが、足が売りという部分でのアピールには欠けましたね。またショートゴロでの到達タイムも4.6秒(左打者換算で4.35秒)で遅く、アウトだとわかってしまうと足の勢いを緩めてしまうあたりも足が売りの選手だけに残念です。3打席で交代したように、足でも痛めていたのでしょうか?

(2012年 プロアマ交流戦)

 
有澤 渉(25歳・BC)富山)外野
175/80 左/左
(高岡商-日体大-きらやか銀行出身)


 

 下級生の時から活躍する選手で、リトルでは全国大会準優勝を経験し、野球センス抜群で巧みなリストワークが魅力の左の好打者。

(守備・走塁面)

 走力に関しては、今回あまり良くわからなかったので、選抜でのチェックポイント。ただ左好打者タイプにしては、左翼の守備力・地肩のレベルはもう一つなのは残念。高い野球センスを持つも守備がレフトなのが、なんとなく頷けてしまう。こういったタイプは、守備・走力にも高いものが求められるだけに、破綻のない守備・走力は身につけておきたい。

(打撃スタイル)

 大体2球目あたりにはスイングを仕掛けて来る。私の観た試合では、速球を振ることが多かったが、仕掛けの早さからも、いろいろな球に対応出来るタイプではないかと考える。打球はセンターからライト方向に引っ張っていたが、これもステップをバランス良く保ち、カベもキープ出来ているので、外の球をレフト方向に素直にはじき返す打撃も期待出来るだろう。恐らく広範囲に打ち返すアベレージ打者の傾向が強い選手だと思われる。ただこの辺は、選抜でのプレーを見てもう少しサンプルを取って調べてみたいと思う。

(打撃フォーム)

<構え> 
☆☆☆

前をしっかり見据え、自分のリズムで打席に立てれば

 軽く前足は引かれているが、ほぼスクエアスタンスだと考えて良いだろう。グリップは身体の近くに下げて添えられている。バットを立てて握っており比較的リラックスして構えられている。腰の据わり・全体のバランスは悪くないが、前の見据え方がもう一つなのが残念。もう少し後ろに足を引いて、しっかり両目で前を見据える姿勢を作った方が、球筋を錯覚なしに的確に追えるのではないのか。ボールを待つ時に、特に身体の何処かを揺らいで、自分のリズムで打席に立っているわけではない。

<仕掛け> 
早めの仕掛け

打撃スタイルにも合致している

 投手の引きあげられた足が下がる途中で始動する「早めの仕掛け」を採用している。これによりどんな球にも対応すべく幅広いバッティングが期待出来るアベレージヒッターだ。彼の打撃スタイルにも合致して良いのではないのか。

<足の運び> 
☆☆☆☆

踏み込みの自在性の意識とカベをキープ

 早めに足を引きあげ空中で足をキープし、変化に応じて踏み込むタイミングを計るような「踏み込みの自在性」を意識しているのではないかと思われる。この踏み込みこそ、世界の本塁打王である王貞治や三冠王三度に輝いた落合博満などが採用していた究極の打撃技術なのだ。そういった高い技術を取り入れようとしているところは興味深い。

 足をしっかり引きあげている割には、その踏み込みは大人しい。ただしステップはしっかり取れているので、上半身と下半身のバランスは取れている。そのためインパクトの際にも足元がブレることなく、身体の開きやパワーロスを防いでいる。カベをしっかりキープ出来ているので、外角の球にも身体が突っ込まずに対応出来ると思われる。

<リストワーク> 
☆☆☆

トップの形成とスイング軌道に課題

 早めに始動して割に、トップはあまりしっかり作れていないのは残念。グリップは奥に入り込んではいないようだが、アウトコースの球を捌く時にヘッドが下がって出てくるので、外の球をしっかり叩けるスイング軌道ではないのが惜しい。インパクトの押し込みもイマイチだが、スイングの弧の大きさ・フォロースルーは悪くない。打球を強く叩けるタイプではないが、ヘッドスピードの割には、ボールを運べるタイプなのかもしれない。

<軸> 
☆☆☆☆

体軸の安定感が、コンスタントな打撃を可能に

 早めに足を引きあげ空中である程度キープしてから踏み込むタイプなのだが、頭の位置は安定して回転出来ている。これは岡田(履正社-オリックス1位)の動きに近い。また身体の開きも我慢出来ているし、軸足の形も崩れずにキープ出来ている。コンスタントに結果を残せる安定した打撃が期待出来そうだ。

(最後に)

 この選手は、非凡なリストワークを活かして当てることを重視したスイングが特徴的だ。巨人の清水のように強く上から叩くと言うよりは、石井拓朗(横浜)のように、上手く合わせて運ぶタイプの左打者をイメージして頂けると近いのではないのか。ただ上のレベルを意識するのであれば、やはり速い球に差し込まれない鋭いヘッドスピードは不可欠であるだけに、もっともっとバットを振り込んで課題を改善していって欲しい。また左の好打者タイプにしては、守備面でのアピールに欠けるだけに、その辺も意識して磨いていって欲しいと思います。一冬越えて逞しさを増していることを期待している。
 


(2006年 2月6日更新)

 
生島 大輔(25歳・BC富山)内野
175/75 右/左
(大阪桐蔭-早稲田大-JR東日本)

 
選抜大会では、一番遊撃手として鋭い当たりを連発し好打者として注目され、遊撃手としても軽快なプレーを魅せ俊足でもあり、まさに三拍子揃ったナイスガイであることを証明した。この大会で、アマチュア野球ファンのみならずプロのスカウトからも注目される存在となったのである。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間を4.00秒前後で走り抜けるなど、上のレベルを意識しても充分俊足として通用するレベルにある。プロで足を売りに出来るかと言うほど絶対的な脚力の持ち主ではないが、走塁センスを磨けば二桁盗塁を残せる可能性はありそうだ。遊撃守備もフットワーク・グラブ捌きも軽快であるし、深いボールでも踏ん張って放れる地肩の強さと下半身の粘りには、一応の評価が下せそうだ。しいて言うならば前へのダッシュ力・判断力が物足りなかった印象だが、上のレベルでもニ遊間を中心に守って行ける選手であろう。

(打撃スタイル)

 積極的に初球から打ちに行くこともあるが、じっくり観て行くことも出来る選手だ。真ん中から内角の球を、はじき返すのが得意のようだが、追い込まれても外角の球を逆らわずに左方向に打ち返すことが出来るなど幅広い打撃スタイルが持ち主の選手である。

(打撃フォーム)

<構え> 
☆☆☆☆

 前足を少し後ろに引いた軽いオープンスタンスで構えられている。前足を少し引くことで、顔がしっかり前を向き両目でボールを的確に見ることが出来ている。背中をスッと伸ばすことで、ある種の緊張感を感じさせ、バットを長く持ってグリップをバットの重さを感じにくい0ポジションに添えるなど、巧打者と言うよりも強打者の雰囲気が漂って来る。全体的にバランスと程よい緊張感を感じさせる構えである。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

 投手の引き上げた足が下がりきって、投手の重心が前に移動するときにスイング動作を始める「遅めの仕掛け」を実践している。この仕掛けのタイミングは、ボールの球筋やフォームをギリギリまで見定めることで、どんなコースやタイミングで、どんな球種が来ているのか見極めるための情報量が通常の仕掛けよりも多いのが特徴である。その分、始動してからボールが到達するまでの時間が短いので余分の動作が許されない。狙い球を絞ってギリギリまで自分のポイントまで引きつけて打つ、好球必打の強打者タイプに多く観られる仕掛けである。

 彼の場合狙い球とは、球種と言うよりも真ん中から内角のコースの球を狙っている印象を持つ。彼の構え方や仕掛けを観ていると、彼が今目指しているスタイルは、巧打者ではなく強打者であることが窺われる。将来的に、このスタイルを見直す時が来るのか、またその時、どう対処して行くのか注目したい。

<足の運び> 
☆☆☆☆

 引き上げた足を「の」の字を書くようにまわし込む。軸足の延長線上のスクエアの位置に着地させるオーソドックスなスタイル。この着地を観ていると、どのコースの球にも対応しようと言う彼の意志が感じられる。踏み込んだ足のつま先は閉じられ、インパクトの際にも足元は動かないので強い打球が打てる。前にしっかりカベを作ることが出来、身体が突っ込まない体勢が出来ており外角の球も捌くことが出来る。むしろ内角の球は強く飛んで行くことは多いだろうが、つま先が閉じ過ぎることで身体の抜けが悪く、むしろ窮屈な打撃になったりファールになってしまうのではないのかと思えてしまう。

 スイングの始動も遅いことからも、変化に応じて自在に踏み込みのタイミングを調整するような時間的余裕はない。リリース時に作り出したタイミングをダイレクトにインパクトまでつなげるタイプの打者といえ、そういった意味では強打者的なタイミングの取り方をしていると言えるであろう。

<リストワーク> 
☆☆☆☆

 強打者でも好打者でも強い打球を放つために必要なのがトップの深さである。しかしながら彼のトップは、あまり深いとは言えない。むしろ始動の遅さを補うためにグリップは、センターカメラから観て、身体に奥に入ることはなくトップに近い位置からロスなく振り出すことが出来ている。ミートポイントまで綺麗に振り下ろされており、インパクトの際には、エネルギーを一点に集約出来ている点は評価出来る。比較的小さなエネルギー捻出ながらロスなくスイングして行くタイプの打者だと言えるであろう。

<軸> 
☆☆☆☆

 頭の位置の安定、軸足崩れの少なさ、身体の開きが我慢出来ている点など、体軸の安定に関しては、しっかりしたものがある。

(まとめ)

 一つは、身体的にサイズや打撃スタイルから観ると、今の強打者スタイルが適しているかどうかは、正直疑問な部分はある。それがネックで上のレベルで伸び悩む可能性もなくはないだろう。現時点で持ち得る技術は極めて高く高校生としては、トップクラスの技術を有していると言える。そうとは言え、ミートセンスが天才的なセンスがあるとか、パワーが超高校級だとか、もの凄く鋭さのある選手だとか、守備・走塁は、図抜けているとか、そういった突出したものは素材的にも感じられない。すべてが中の上と言った極めてバランス感覚に優れた選手だと言えるであろう。こういった選手は、やはり大学や社会人等で、何か決めてになるものを磨いて、再びプロ解禁年まで素材を磨くことをお勧めしたい。どのアマチュア野球チームにも、対応出来るだけのレベルの高さがある選手だと思います。数年後の成長ぶりが非常に楽しみな選手だと思います。

(2004年 6月13日更新)

 
富永 裕也(26歳・BC石川)外野
180/77 右/左
(星稜-大体大出身)

 
 広い守備範囲とパンチの効いた打撃が自慢。

 
小林 恭兵(24歳・BC福井)内野
168/66 右/左
(会津工-会津ベースボールクラブ-BC群馬)

 
 快速・巧打の内村賢介(ベイスターズ)二世と評判。

 
生田目 翔悟(23歳・香川OG)内野
178/77 右/右
(九州国際大附-JFE東日本出身)

 
 スピード感溢れるプレーと安定した打撃に期待。

 
有山 裕太
(23歳・香川OG)捕手
172/75 右/右
(大阪桐蔭-奈良産業大出身)

 
 小柄ながら強肩を武器に活躍。

 
高田 泰輔(24歳・愛媛MP)外野
176/79 右/左
(新田出身)

 
 高卒3年目の若い外野手で、昨年は64試合 3本 21打点 打率.256厘 の成績でした。アイランドリーグでは、将来を期待の若手選手だと言う印象です。愛媛の新田高校時代には、バックスクリーンに2試合連続で叩き込んだ長打力を秘めています。パンチ力を秘めた勝負強さが売りの選手です。ただ試合では、まだ吉岡(阪神)投手のストレートへの対応が苦しそうで、一定レベル以上の球速・キレに対応するのに課題を感じます。

試合前練習では、まずまずの地肩を披露。守備に関しては、基準~それ以上のものがありそうです。ただこの選手、左の好打者タイプにしては、あまり走力がないのが残念。スピードボールへの対応を改善して行かないと、NPBを意識するのは難しいかもしれません。

(2011年 四国アイランドリーグ選抜VSフューチャーズ)


鶴田 都貴(23歳・愛媛MP)捕手
173/85 右/右
(神村学園-東京国際大出身)

 
 
 高校時代からパワフルな打撃が目を惹く強打者。打撃に確かなものがあるだけに、問題は守備も含めた総合力だろう。

 
藤長 賢治(24歳・愛媛MP)遊撃
173/66 右/左
(済美-大体大-トータル阪神出身)

 
 阪神大学リーグ時には、2度の首位打者を獲得。アイランドリーグでも、今季3割台をキープ。

 
吉村 旬平(22歳・徳島ID)外野
178/82 右/左
(光明相模原出身)
 
 光明相模原出身の若手選手で、チームの核弾頭を託されました。前日の試合では良いところを魅せたようですが、この日はあまりシッカリ捉えていないショートゴロ2つで良いところはなし。

 ここまでのアイランドリーグの成績は、40試合 3本塁 16打点 9盗塁 打率.255厘。試合を観たときは巧打者タイプなのかなと思ったのですが、意外にパンチ力もあるようです。165打席で9盗塁ですから、プロ野球の規定打席である446打席で算出すると、年間24個ペースとまずまずの脚力。ただ二回のショートゴロは、いずれも4.2秒台後半と、けして左打者でも速いというほどのタイムではありませんでした。現状NPBを目指すには、もう一歩総合力で物足りないのではないのでしょうか。

(2012年 四国アイランドリーグ選抜VSフューチャーズ)

 
東 弘明 (20歳・徳島ID)内野
180/70 右/右

 
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大谷 真徳(25歳・徳島ID)外野
184/78 右/右
(世田谷学園-立正大出身)


 高い守備力を売りにする大型外野手。

 
 
松嶋 亮太(25歳・徳島ID)遊撃
180/84 右/右
(浜田-大分大出身)

 
 浜田高校から大分大を経て、アイランドリーグに入ってきた選手。特に捕ってから素早く送球できる遊撃守備に関しては、観るべきものがある選手です。この日は、シュートを空振り三振とファーストゴロでしたかね。打撃で良いところは魅せられず。リーグ戦でも、40試合 2本 18打点 4盗塁 .255厘 と打撃成績では平均的。守れる遊撃手というアピールポイントはありますが、指名と総合力では物足りませんね。ただこういった選手が、指名されたりするのが育成枠ではあるのですが・・・

(2012年 四国アイランドリーグ選抜VSフューチャーズ)



 
アイランドリーグでは、39試合 2本 17打点 打率.411厘 6盗塁 と首位打者をひた走る選手。しかしこの3試合では、確かセンター前に1本打ったのみで自慢の打力をアピールできず。腰を深く沈め背筋を伸ばす構えながら、内容もよくなかった。この試合を観る限りは、特別光るものは感じられずに終わった。

(2011年 四国アイランドリーグ選抜VSフューチャーズ)

 
村上 祐樹(26歳・高知FD)内野
174/75(右/右)
(如水館-立正大出身)

 
 打撃は弱いが、俊足が売り。

 
河田 直人(21歳・高知FD)外野
180/85 右/右
(生光学園-愛知学院大中退)


 強打者としての魅力はあるが、まだ粗さが残る。

 
 
安田 開(19歳・高知FD)捕手
185/93 右/右
(京都国際出身)

 
 高校時代から、強打の捕手として活躍。

 
笹平 拓己(24歳・06ブルズ)捕手
172/70 右/左
(履正社医療専門出身)

 
 強肩に加え、打撃に成長。


内之倉 敦士(24歳・紀州レンジャーズ)外野
176/72 右/両
(智弁学園-日本経済大中退)

 
 俊足を生かしたプレーで、存在感を。

 
濱田 賢治(25歳・兵庫BS)捕手
180/85 右/右
(信太-NONOBC-履正社医療専門)

 
 パンチ力のある打撃に、キャッチング・スローイングにも成長のあとが。




将来のドラフト候補



 
横山 雄哉(21歳・新日鉄住金鹿島)投手
182/82 左/左
(山形中央出身)


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高木 伴(23歳・NTT東日本)投手
181/80 右/右
(市立川口-東農大出身)
 
 
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福地 元春(23歳・三菱重工横浜)投手
182/88 左/左
(自由ヶ丘-九州共立大出身)

 
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尾田 佳寛(23歳・JX-ENEOS)投手
183/82 右/右
(広島工-東京国際大出身)


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佐藤 翔太(23歳・東芝)投手
179/72 右/右
(東洋大姫路-東洋大出身)

 
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沼田 拓巳(19歳・エディオン愛工大OB)投手 
183/83 右/右
(大垣日大出身)

 
 大垣日大時代は、葛西投手の控えとしてして活躍。名産大を中退して、クラブチームであるエディオンに映ってきました。年齢的には、高卒2年目世代になります。
 
骨太の体格から常時140キロ台(西武ドームのガンで143キロ)のストレートを投げ込み、厚みのあるストレートの質が素晴らしい本格派です。変化球も、横滑りするスライダーをしっかりコントロールするなど、僅か1イニングの登板でしたが、素質の片鱗を魅せつけてくれました。
 予選での防御率は、4.05 ということで出来すぎの感はありますが、スカウトもその才能に注目している素材。予選では、6回2/3イニングで、被安打は僅か1で、奪三振は8個にのぼります。それでもあまり大事なところを任せてもらえないのは、4四死球のコントロールにあるようで、結構出してみないとわからない部分があるのかもしれません。

(投球フォーム)

 ランナーを背負った場面での登板だったので、いきなりセットポジションからでした。

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は一塁側に落とせません。そういった意味では、カーブで緩急を効かしたり、フォークのような縦の変化には適さないでしょう。

 それでも「着地」までの粘りはそれなりで、スライダーがキレるように変化球を投げる下地も悪くありません。手も大きいでしょうから、まだまだ好い球を修得してピッチングの幅を広げられるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆

 グラブは最後まで体の近くにあるようなので、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を捉えているように見えるので、ボールもそれほど上吊らないのでは?といいつつも、制球に課題があるのは確かのようで、「球持ち」が浅く指先の感覚の悪さに大きな課題がありそうです。

<故障のリスク> 
☆☆☆

 お尻は落とせませんが、カーブやフォークなどの球種も多投しないので、それほど悲観しなくても良さそう。腕の角度には無理がなく、肩への負担も少ないのでは。そういった意味では、タフなリリーフでの活躍が期待できそうです。

<実戦的な術> 
☆☆☆

 「着地」までの粘りは平均的で、体の「開き」も抑えられています。そのため、打者としてはそれほど合わしやすいわけではなさそう。

 腕は強く振れて、体に絡んできます。速球と変化球の見極めも、中々つかないのではないのでしょうか。ボールにも体重が乗せられており、打者の手元まで勢い・球威の落ちない素晴らしいボールが投げられます。地面の蹴り上げも素晴らしく、ボールに体重が乗せられているのを裏付けます。

(最後に)

 素晴らしいストレートを投げられますし、スライダーのキレも悪くありません。安定感には欠けるのかもしれませんが、ボールの球威・勢いは来年のドラフト候補としてマークできる素材でしょう。

 今後も期待して、見守って観る価値がありそうです。予備知識はありませんでしたが、素晴らしい投手でした。

(2013年 全日本クラブ選手権)

 
小畑 彰宏(23歳・大阪ガス)投手
184/82 右/右
(鳥取西-青学出身)

 
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竹下 真吾(23歳・ヤマハ)投手
180/81 左/左
(八幡-九州共立大出身)


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今村 幸志郎(24歳・西都ガス)投手
170/65 左/左
(熊本工-青学大-関西メディカルスポーツ学院出身)

 
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石川 駿(23歳・JX-ENEOS)内野
178/80 右/右
(北大津-明大出身)

 
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石川 桜太(23歳・東芝)外野
180/83 左/左
(東海大望洋-東海大出身)

 
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